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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2016/10/26
- 抄訳記事公開日:
- 2016/12/09
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未来の教育はデジタルとアナログの両輪
- 本文:
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このほど第3回の「未来の夕べ」が開催され、参加者がデジタル教育のポテンシャルおよびそれによって生ずる重要課題について議論した。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
メディアを利用した学習を支援し、デジタル化の倫理的側面に関する研究の強化、学習内容に関するフリーアクセスが可能なプラットフォームの振興が、BMBF「未来の夕べ」の参加者によって重要課題とされた。130人ほどの参加者および政界、アカデミアの代表がルーター官房長と懇談した。「デジタル世界における教育、学習、生活」という命題で、参加者は2時間以上にわたりデジタル教育のチャンスおよび限界について議論した。BMBFはこの市民対話の結果を評価検討し長期的な、市民寄りのイノベーション戦略の作成の参考にする。
「デジタル教育は学習の質を上げ容易にしてくれものである。しかしデジタルなもの全てが教育学的に有意義であるとは限らない。」というのが多数の参加者の意見でもあった。デジタル技術の役割はますます大きくなるとはいえ、言葉の感覚を理解し、把握することは学習の基本的要素である。職業教育において、工具および材料の取り扱いについては、デジタルでの補完は可能であるが、取って代わることはできない。
参加者によると、学習に利用するデジタル教材によって教職員が社会的観点の教育に多くの注意と時間を注ぐことができるようになってきていると考えられる。デジタル化の効果およびデジタル・メディアの有意義な利用に関してより多くの研究や、より多くの確実な知見が必要であることは、参加者の多くにとって明らかであった。「何を将来学ぶのか」、「将来いかに学ぶのか」そして「将来誰が教えてくれるのか」という三つの大命題に関するこれまでの各ディスカッション・ラウンドの後にも、このことが重要視されてきた。
「未来の夕べ」はBMBFの未来フォーラムの枠の中で開催されたもので、三つのフェーズによって構成されている。未来モニター(このテーマに関するアンケート調査)、未来デー(1日間のワークショップ)、そしてBMBFのトップが市民と討論する対話というハイライトともいえる未来の夕べである。9月末の未来デーではドイツ全土から50人の市民が参加し、専門家とデジタル教育のチャンスと重要課題について話し合い、共同で提案を作成した。同イベントのゲストたちはこれらのアイデアについて議論し、どの提案をBMBFとして優先的に取り組むべきかについて合意した。
来春には未来フォーラムの第4回および最終ラウンドが開催される。そのテーマは「知識を創造する。明日の世界における思考と労働」となる。参加希望者はオンラインで登録することが可能である。
[DW編集局]