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- 国・地域名:
- ロシア
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- ロシア大統領府
- 元記事公開日:
- 2016/12/01
- 抄訳記事公開日:
- 2016/12/09
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連邦議会に対する大統領年次教書演説
- 本文:
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ロシア大統領府の2016年12月1日付表記発表では、連邦議会に対するプーチン大統領の年次教書演説の内容を伝えている。以下はその中から科学技術・イノベーションに関連する部分を抜粋・要約したものである。
科学技術振興策
-分野横断的独自技術に重点
経済・社会をより高度に発展したレベルに引き上げるためには、固有の先端的研究開発や科学的解決が必要である。強力な技術的ポテンシャルが将来に向けて蓄積されている分野、すなわち今や生活圏全体を決定づけているデジタル技術やその他の分野横断的技術に重点を置くべきである。これに失敗すると、他に依存する不利な立場に置かれることになる。分野横断的技術はあらゆる分野に適用できる技術であり、デジタル技術、量子技術、ロボット技術、神経技術などがある。
しかしながらデジタル技術に内在するリスクには慎重に対処する必要がある。サイバー攻撃の脅威に対しては防護策を強化し、インフラ、金融制度、国家統治といったすべての要素について安定性を高める必要がある。
新しい技術世代の経済、いわゆるデジタル経済を展開する大規模で体系的なプログラムの開始を提案したい。本プログラムの実施に際しては、ロシア企業、ロシアの科学研究機関や工学センターに頼ることになる。国家の安全保障と技術の独立性、すなわちロシアの将来はこれにかかっている。全面的な見直しを実施して、既存および新興のハイテク市場へのロシア企業の進出を妨げる行政上、法制上その他の障壁を除去する必要がある。このようなプロジェクトには十分な資金を提供しなければならない。
-人材育成
次世代のタスクを遂行できる高度人材、技術者、労働者が必要である。そのために企業と協力して、中等職業教育の近代的なシステムの構築および最先端の国際標準に基づいた大学・専門学校教員の養成を目指す。
工学、IT、その他の主要分野での国の資金援助を受ける学生数の割合を増やす。来年は地方の大学を含む主要大学に能力センターを設置し、新しいセクターや市場の出現につながるプロジェクトに対して知的支援や人材のサポートを提供する。
-基礎研究とその役割
基礎研究は、経済の成長や社会の発展に必要な科学技術力を蓄積するための強力な要因である。2つの任務があり、1つは今後の動向を評価・予測すること、もう1つは喫緊の課題に最適な解決策を提供することである。
科学の分野でも、他の分野と同じように、競争を促進し実際に結果を出すことのできる最強の者が支援される。ロシア科学アカデミーを含むすべての研究機関はこの点を考慮する必要がある。大規模な科学研究を可能にする研究インフラは今後も継続して構築していく。
-メガグラント(mega grants)
メガグラント・プログラムの下で200以上の研究室がすでに設置されている。これらの研究室はグローバルなレベルで運用されているといっても過言ではない。というのも、グローバルな研究開発動向を決定づける科学者らが研究室を主導しているからである(ちなみに、研究者の多くは過去にロシアを去った同国(ロシア)人である)。
最近、メガグラントの研究者らと会合を持ったが、彼らの多くはロシアの研究室で時間の大部分を割き、首尾よく満足して研究を行っている。彼らの認識によれば、今日のロシアには、興味深い課題の設定、素晴らしい研究基盤の形成、そして申し分ないレベルの財政条件が整っている。
研究の目標と計画を立てることは当然だが、ロシア科学基金を通じたファンディングを含め、成果の上がる研究プロジェクトには長期的な資金支援を確保するよう要求したい。
-若手研究者支援
ロシアの有能な若手研究者を支援することは極めて重要で、このような研究者には研究チームや研究室をもつ機会が与えられるべきである。そのために7年までの期間を対象とした特別助成が開始される。この若手研究者支援、研究インフラの開発、および新規研究室の開設に対し、すでに発表されている研究予算に加えて2017年だけで35億ルーブルが追加配賦される。
※上記優先課題はすべて、大統領が署名済みの「国家科学技術開発戦略」に示されたものである。
ハイテク医療支援
過去10年間にハイテク医療サービスの件数は15倍に増えた。数10万件規模の複雑な手術が連邦レベルの主要センターだけでなく、地方の病院でも実施されている。ハイテク医療支援を受けられる人は、プログラムを立ち上げた2005年時点では6万人であったが、2016年には90万人になる。来年はハイテク医療支援の安定的な資金支援を確保するためのメカニズムの導入が必要になる。
今後2年間に全国の病院および外来患者の診療所を高速インターネットで接続することを提案したい。これにより、遠くの都市や村にいる医師でも遠隔医療を活用して、地方や連邦レベルの医療機関にいる同僚から迅速に助言を得ることができる。
[DW編集局]