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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立衛生研究所(NIH)
- 元記事公開日:
- 2016/10/13
- 抄訳記事公開日:
- 2016/12/14
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ブレイン・イニシアティブ研究への投資が約2倍に
- 本文:
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2016年10月13日付の国立衛生研究所(NIH)の標記発表の概要は以下のとおりである。
NIHは、革新的なニューロテクノロジー(BRAIN)イニシアティブの推進を通じて脳研究の目標を支援する第3次助成を発表した。これによりNIHの2016年度の投資総額は1億5,000万ドルを超えることになる。
総額7,000万ドル強の100件を超える新規助成は、研究機関60機関で研究に従事する170名の研究者に向けたものである。この助成により、神経回路の機能を解明し、活動中の脳の動的な姿を捉えるための新たなツールや技術を開発するというNIHの取り組みが拡大される。プロジェクトとして、研究者が脳のスキャンによって自閉症やアルツハイマー病の検出や診断をする場合の補助となるコンピュータ・プログラムの開発、超音波を使用して脳細胞を精確に刺激する帽子の作製、脳の活動をワイヤレスで記録するための微小な電気センサーで構成する「神経の塵」(Neural Dust)システムの作成、脳卒中患者の生活支援に必要な現行のリハビリ技術の向上策などの提案がある。
オバマ大統領は2013年に、アルツハイマー病、統合失調症、自閉症、てんかん、外傷性脳損傷のような広範囲の脳障害の治療に必要な手掛かりを研究者に授けるための大規模な取り組みとして、ブレイン・イニシアティブを立ち上げた。ブレイン・イニシアティブによるNIHのこれまでのブレークスルーには次のような例がある。
・脳のスキャニング・ヘルメットの設計図
・透明魚の活動中の脳の解明
・ニューロンをオンまたはオフにするデザイナー・ドラッグ
・幹細胞の遺伝子特性:ジカウィルスとヒトの進化
・数万の脳細胞の遺伝子を一度に解析する方法 [DW編集局+JSTワシントン事務所]