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国・地域名:
フィンランド
元記事の言語:
英語
公開機関:
フィンランド雇用経済省
元記事公開日:
2016/11/28
抄訳記事公開日:
2017/01/16

2030年までのエネルギー・気候変動戦略を議会に提出

Strategy outlines energy and climate actions to 2030 and beyond

本文:

フィンランド雇用経済省の2016年11月28日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2016年11月24日、フィンランド政府は2030年までの国家エネルギー・気候変動戦略を承認した。戦略は政府報告書として議会に提出され、議会はは11月30日にこの政府報告書に関する討議を開始する予定である。

この戦略では、フィンランドが、シピラ内閣とEUが合意決定した2030年に向けてのエネルギー・気候変動目標を達成するための具体的な手段および目標が定められている。

ガイドラインによると、最終的なエネルギー消費量に対して再生可能エネルギーが占める割合は、2020年代には50%を超えるという。エネルギー・システムをカーボンニュートラルに、また再生可能エネルギー源を中心としたものにすることが、長期的な目標であるとしている。

再生可能エネルギーの投資補助金は、主に新技術の実用化と努力分担部門、特に先進の輸送用バイオ燃料を生産する組織を対象としている。また農業廃棄物、社会的廃棄物、産業廃棄物およびサイド・ストリームを熱や電力の生産に使用することや、輸送用燃料として利用することも奨励されている。

この戦略は、排出量取引の対象外とされた部門(主に輸送部門)において温室効果ガス排出量を削減するための主要な手段を定めている。EUから要求されている排出量削減措置は、2017年春に中期気候変動政策プランで具体的に示され、補足されることになっている。

また、2050年までに再生可能エネルギーのみをベースにした経済に移行する可能性も評価された。目標は、様々な部門で、またシステムレベルで100%再生可能エネルギー源を利用する可能性と、それに伴う課題を明らかにすることである。2030年から2050年にかけてのエネルギー技術およびエネルギー問題の新たな解決策の展望に関するフィンランド技術庁(Tekes)の戦略背景報告書では、エネルギー問題の新たな解決策およびこうした解決策がもたらすビジネスチャンスの展望も検討されている。

フィンランド経済の長期的な競争力と経済成長に必要な要件は、コスト効率の良い排出量削減措置によって確保されるとしている。今回の戦略には国家補助が必要となるため、中央政府の支出は2018年から2020年にかけて1億6,000万~2億4,000万ユーロ前後、2021年から2030年にかけては9億~9億3,000万ユーロ前後増加する見込み。また現行の税制において、中央政府の税収は2018年から2020年にかけて約1,000万ユーロ、2021年から2030年にかけては約14億1,000万ユーロ減少する見込みとなっている。補助金および税制に対する変更は、中央政府の予算手続きで別途決定されることになる。

[JSTパリ事務所]