[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2016/12/06
抄訳記事公開日:
2017/01/20

JRC、オランダ環境評価庁と共同で世界のCO2排出量報告書を発表

Global CO2 emissions from fossil fuels and industrial processes stall

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2016年12月6日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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オランダ環境評価庁と欧州委員会共同研究センター(JRC)による最新の報告書によれば、2015年、化石燃料の燃焼および工業プロセスから排出されるCO2の増加が横ばいを示し、2012年以降の減少傾向が示されたという。また、これは世界経済の構造変化、世界的なエネルギー効率の向上、および主要国のエネルギー・ミックスの変化によるものであると結論づけられている。

2015年、化石燃料および工業プロセスに由来する全世界のCO2排出量の3分の2は、中国(全体の29%)、米国(14%)、欧州連合(EU-28)(10%)、インド(7%)、ロシア(5%)および日本(3.5%)で発生している。

このうちEUでは、化石燃料および工業プロセスからの年間CO2排出量が、4年間にわたって大きく減少した後(2011年から2014年にかけて計13.4%減少)、2015年にやや増加したが(約1.3%)、これは、2014年に比べて2015年の冬が寒く、主に暖房に使用するガスの消費量が4.6%増加したこと、また輸送部門におけるディーゼル燃料の消費量が4%増加したことによるものであると報告されている。同じく、発電にともなうCO2排出量は0.6%減少した一方で、電力生産量は1.3%増加している。これは、2015年の総発電量に対して再生可能エネルギー(主に水力、風力および太陽光)が占める割合が大幅に増加し(2014年と比べて4.4%増の29%)、石炭の消費量が1.8%減少したためとされている。

報告書は、パリ協定の目標を達成するために必要な全世界の温室効果ガス排出量の絶対的な削減を実現し、地球温暖化による気温上昇が2℃を大きく下回るようにするには、化石燃料、特に石炭の使用量をさらに削減する必要がある、と記している。

[JSTパリ事務所]