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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2016/12/12
- 抄訳記事公開日:
- 2017/01/27
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総研究開発費GDP比3%目標を達成
- 本文:
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総研究開発費が記録的な伸びであったとする調査結果が発表され、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
2015年にドイツ企業は自社の研究開発に624億ユーロを投資した。これは対前年度比9.5%の増加であった。調査開始以来最高の伸びで、連邦政府の対GDP比3%目標が達成された。もう一つの記録として、研究要員がフルタイム職位に換算して産業界の研究部門に41万6,000人分の雇用があり、11.9%の増加となっている。ドイツ研究財団連盟はBMBFの委託により毎年研究開発に関する数値を調査している。
推進役となったのは主に自動車産業およびそのサービス関連部門である。自動車業界は独自の研究開発に217億ユーロを投資、これは2014年度よりも10%高い数値である。さらに研究機関あるいは外部関連企業では、対前年度比9%増となる102億ユーロの研究委託をしている。研究開発費の急激な増加は、化学産業に見られ(+6%)、医薬品分野では自前の研究については停滞(-0.9%)したものの、研究委託については明らかに上昇が見られる(+25%)。
連邦政府によるGDPの3%を研究開発へ投入するという目標は、2015年に概ね達成されたことになる。2014年は2.88% であり、2013年はEUにおける国民経済全体計算の変更があったため、GDPが上昇したことで2013年の研究開発費割合は2.82% へと減少した。
ヴァンカBMBF大臣は「かつて2015年ほど研究開発に投資がなされたことはない。これは連邦政府と産業界が共同で成し遂げた大きな成果である。特に停滞の数年間を経て、中小企業が再び研究に投資を強めたことである。研究開発は労働市場にとって重要なファクターとなった。2005年以降、産業界においては11万人以上の高資格者の雇用が創設された。研究はドイツの技術拠点としての強い立ち位置の基盤となるものである。ドイツが国際競争におけるこのトップの位置を守り、拡大成長できるよう、新しい目標を設定し、研究開発支出をさらに力強く上昇させていかなければならない。連邦はこのための義務を果たして来た。2005年以来、連邦は研究開発支出を60%以上増加させた。来年度は更に5%の上乗せを予定している」と語った。
ドイツ研究財団連盟のバルナー会長は「3%目標は産業界と連邦政府が共同で達成したもので、誇りにできるものである。しかしながらこれで手を抜いてはならず、今後もドイツにおける研究開発に全力を挙げていかなければならない。資金のみならず、研究プロジェクトの税額控除、ドイツのイノベーション・システムの構造に関する継続的分析および展開の賢明な基本条件にも考慮しなければならない」と語った。
中小企業に関しては明らかに研究志向が向上しているという注目すべき動向が認められる。従業員250人未満の中小企業では、前年同期よりも研究プロジェクトへの支出が16%増加している。特に全体的に停滞している分野においてこれら企業から今後数年間に新しい成長ダイナミズムが生まれてくることが期待される。特に機械製造(合計の伸びが-0.2%であったのが、中小企業では約10%のプラス)、情報通信(合計+0.4%の伸び、中小企業では+24%)が例として挙げられる。
[DW編集局]