[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2016/12/16
抄訳記事公開日:
2017/02/10

AAASのラッシュ・ホルトCEO、政策決定に科学の活用を強く要請

AAAS CEO Rush Holt Urges Leaders to Use Science In Policymaking

本文:

2016年12月16日付の米国科学振興協会(AAAS)の標記発表の概要は以下のとおりである。

AAASのラッシュ・ホルトCEOは12月18日付の”The Star-Ledger of New Jersey.”誌の掲載記事で、政策発表に際しては科学がもたらす証明のみならず科学的調査の原則を尊重する必要があると述べている。現在のように政治的に緊張した環境において、個々の政策の利点を強調しようとする立法府は、その最初の拠り所として科学に目を向けるべきである、とも述べている。

「科学は自治と無縁ではなく隣接関係にある」とし、その理由として科学では証拠を目前にして謙虚な態度を必要とする、としている。仮定の執着は捨てねばならず、観念論は(不都合があったとしても)実験による証明の重みに従う必要がある。

「科学を科学たらしめているもの(事実や論拠の公開、アイデアに対する厳密な批判、理論の確証または反証のための複数回に及ぶ試験)は、間違っていることを証明しようとする意欲を前提としている。政治にはそれをもっと取り入れる必要がある」、ホルト氏はそう述べている。

物理学者で、連邦議会議員を8期務めた後、AAASのトップに就任したホルト氏は、民主主義社会において科学が果たすべき重要な役割について独自の視点を持っている。論争が起きやすいギブ・アンド・テイクの党利党略を事とする政治の渦中にあって、多くの政治家の主張の事実による裏付けがしばしば議論の対象となる時期にあって、科学は求心力であり、市民にとっても指導者にとっても同様に共通の判断の目安となりえる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]