[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
教育部
元記事公開日:
2016/12/29
抄訳記事公開日:
2017/02/20

教育部、2016年度中国大学十大科学技術進展を発表

2016年度“中国高等学校十大科技进展”项目评选揭晓

本文:

2016年12月29日付の教育部ウェブサイトは、「教育部、2016年度中国大学十大科学技術進展を発表」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
2016年12月26日、教育部科学技術委員会によって選出された「2016年度中国大学十大科学技術進展」が北京で発表された。同活動を通じて、大学の科学技術の全体レベルの向上と大学の科学技術イノベーション能力の増強が進むべく、社会に良い影響をもたらし、好評を得ている。2016年度の選出プロジェクトは次の通り。

1. 北京大学(プロジェクト責任者:郭雪峰、協力機関:米国デューク大学、中国科学院物理研究所、華東理工大学等)
世界初の安定制御できる単分子電気スイッチ装置:機能分子をコア構成要素として電子回路を構築することが証明され、機能分子の実用電子装置への応用に重要な意義を持っている。

2. 北京大学(プロジェクト責任者:孟傑、協力機関:山東大学威海、清華大学、北京航空航天大学、中国科学院理論物理研究所)
原子核カイラル対称性と空間反射対称性の同時の自発的破れを発現:原子核複雑構造及び表現形式に対する認識への理解をより深めた。

3. ハルビン工業大学(プロジェクト責任者:于達仁、協力機関:中国航天科学技術グループ第五研究院第502研究所)
高効率・高比推力磁気集束ホール推進技術:同成果は中国の次世代通信衛星、リモートセンシング衛星、宇宙ステーション及び宇宙探査での技術的支援を提供し、国際電気推進技術発展史で重要な一里塚となる。

4. 南京工業大学(プロジェクト責任者:黄維、協力機関:浙江大学、英国ケンブリッジ大学、スウェーデンリンショーピング大学、南京郵電大学)
高効率ペロブスカイト発光装置の研究:ペロブスカイト材料及び発光分野での研究に新たな方向性を開拓する。

5. 清華大学(プロジェクト責任者:孫宏斌、協力機関:北京清華大学ハイテク制御システム有限公司)
複雑電力電圧制御-協調型無効電力電圧自動制御システムのキー技術及び応用:同プロジェクトは20年以上にわたり、自主知的財産権を持つAVCシステムという独創的な科学研究成果によって、電力システム・電圧制御分野での発展と技術進歩を牽引し、一里塚的な意義を持っている。

6. 清華大学(プロジェクト責任者:謝道昕、協力機関:中国科学院生物物理研究所、中国科学院遺伝と発育生物学研究所、中国科学院上海薬物研究所)
植物分枝誘導体、ホルモン・ストリゴラクトン(Strigolactones)の感知メカニズム:同研究は作物の草型改良と寄生雑草の予防において指導的な理論を提供し、潜在的に非常に高い応用ポテンシャルを持っている。

7. 清華大学(プロジェクト責任者:顔寧)
筋肉興奮収縮連関の分子メカニズムの探索:同成果は多種多様な疾病関連の電位依存性(開口型)カルシウムチャネル(Voltage-gated calcium channels, VGCCs)とナトリウムチャネル(Sodium channel)の機能・メカニズムに関して分子生物学上の基礎的知見を提供し、構造に基づく薬物開発上での指導的理論を提供している。

8. 西安交通大学(プロジェクト責任者:程海、協力機関:米国ミネソタ大学ツインシティー校、米国カリフォルニア州立大学、オーストリアインスブルック大学、同済大学、南京師範大学、シンガポール南洋理工大学)
アジアモンスーンの変動規則とグローバル気候変動の関係:放射性同位体測定技術などに基づき数十万年前の環境変動等を調べた。これらはグローバル気候変動の研究に重要な時間尺度を提供する。

9. 浙江大学(プロジェクト責任者:呉朝暉)
ブレインマシン(Brain Machine)の混合知能理論と方法:同探究は障害者のリハビリ、災害救援、国防、安全保障等の分野で重大な応用ポテンシャルを持っている。

10. 浙江大学(プロジェクト責任者:鄭樹森)
肝がん・肝臓移植新型分子層の体系に関する研究:中国の臓器移植分野で非常に高い国際競争力と自主イノベーションの価値を有する科学研究成果である。

[JST北京事務所]