[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2017/01/23
抄訳記事公開日:
2017/02/28

イノベーションの計測方法改善のために

Innovationen besser messen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は指標によってイノベーションを把握する方法を改善するための研究を助成することとし、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

新しい製品、サービスあるいはプロセス等の研究開発は経済、科学、社会の発展にとって極めて重要である。しかしながら、イノベーションの進展状況を把握し、同時にその比較を行うことは非常に複雑であり、そのための計測手段として、多数の様々な指標を必要とする。新たな研究助成策によって、BMBFは現状の計測方法を改善していくこととした。こうした取り組みによって、特にシェアリングエコノミー(Sharing economoy)あるいはソーシャル・イノベーションといった新しい現象をもっとよく理解しようというものである。

研究開発に関する指標やイノベーションの為の新たな研究手法が必要とされていることは、特にデジタル化の時代において明らかである。大量のデータの適時利用、コンピュータの計算能力の大幅な向上、信頼度の高いアルゴリズムの利用がますます当たり前になっていく状況はイノベーションの計測領域における新たな可能性を開くことになる。

年頭にドイツにおけるイノベーションの成果を測る二つの報告書が発表された。OECDのScience Technology and Innovation Outlook 2016と欧州経済研究センター(ZEW)のイノベーションレポートである。両報告とも様々な、多数の指標を含んでいる。イノベーションに関する産業界の支出あるいはイノベーションを研究する企業の割合等が含まれている。これらの指標はイノベーション政策の成果を計測するための良好な基礎となるものである。しかし同時に、イノベーションへの取り組みの結果を直接把握することはまだ困難である。

BMBFの新しい助成プログラムは、できる限り多様で、新しいイノベーションの計測方法を研究し、成果に着目したイノベーション指標の開発を目指している。同時に、経済学、社会学、心理学更には自然科学、工学等できる限り多様な科学分野を、学際的なプロジェクトと同様に考慮に入れることとする。研究は大量のデータを柱とし、例えばインタビュー等の定性的な研究も取り入れることができる。

研究開発拠点としてのドイツを引き続き発展させていくため、助成対象グループとしては特に若手研究者を念頭に置いている。イノベーション研究に関する助成指針は、最も創造的なアイディアおよび研究手段を採り入れるために、テーマ的および方法論的にもオープンに策定されている。研究者の他に企業も応募することができる。

[DW編集局]