[本文]
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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2017/01/09
- 抄訳記事公開日:
- 2017/02/28
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連邦政府の研究成果を全ての国民が利用可能に
- 本文:
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2017年1月9日付のホワイトハウスによる標記報道発表の概要は、以下のとおりである。
連邦政府省庁は、連邦政府資金による科学研究の成果へのアクセスの促進に関する2013年2月のホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)覚書に従い、パブリックアクセスプランの作成を完了した。この覚書は、年間の研究開発費が1億ドルを超えている連邦政府省庁に対して連邦政府資金による研究によって生み出された学術的出版物およびデジタルデータへのアクセス改善に関するプランの作成を求めるものであった。
このほど国土安全保障省(Department of Homeland Security)および環境保護庁(Environmental Protection Agency)がそれぞれのパブリックアクセスプランを完成し、ウェッブページ上で公開した。これによって、今や米国連邦政府の研究開発支出の99%超を占める22省庁のパブリックアクセスプランが決定済みとなった。
各省庁におけるパブリックアクセスプランの作成が終了したことは、連邦政府資金による研究の成果への国民からのアクセスを増やすことを目指している連邦政府の取組みにとって画期的な進展である。各省庁の取組みにより、国民は連邦政府資金による研究から生み出され、専門家により査読された数10万もの学術的出版物をデジタル形式で読み、ダウンロードし、分析することができるようになる。この中には、最新の惑星探査、コンピュータ科学におけるブレークスルー、物理学上の発見および癌の研究に関する論文が含まれる。論文は、発表後12カ月以内に無料で利用可能となる。既に420万件を超える論文が各省庁のシステムを通して利用可能となっている。
さらに、連邦政府資金による研究から生み出され、拡大しつつあるデジタルデータの保存データに対しても、国民はより容易にアクセスできるようになる。これらのデータには、気象モデル、臨床試験、輸送調査および地震観測により取得されたデータが含まれる。これらのデータは、プライバシー、国家安全保障およびその他の正当な利益に反しない限り、そして保存とアクセスに伴うコストと恩恵を考慮した上で利用可能となる。研究者、ビジネスのイノベーションに取り組む人々、起業家、教育者、学生および一般国民がこれらのデータを農業、エネルギー、環境保護、健康および国家安全保障に関係する国家的・世界的課題に取り組むために利用できるようになる。
すでに17の省庁が、それぞれの省庁により雇用されもしくは資金提供を受ける科学者に対して、新たに資金提供を受けた全ての研究から生み出された出版物について国民からのアクセスを保証しなければならないとする要件を導入済みであり、さらに3つの省庁が同様の要件をそれぞれの研究ポートフォリオ全体にわたって段階的に導入しつつある。
また、14の省庁が、それぞれの省庁から資金提供を受ける専属の科学者および研究者に対して、新しい調査研究において取得予定のデータ並びにそれらのデータの長期的な保存とアクセスの提供に関する計画をまとめたデータ管理プランを作成しなければならないとする要件を導入済みであり、さらに4つの省庁が同様の要件をそれぞれの研究ポートフォリオ全体にわたって段階的に導入しつつある。
連邦政府資金による研究成果への国民からのアクセス改善のための連邦政府省庁による取組みを導くため、2016年10月、国家科学技術会議(National Science and Technology Council)の科学委員会(Committee on Science)は、オープンサイエンスに関する省庁間ワーキンググループ(Interagency Working Group on Open Science(IWGOS))を設置した。IWGOSは、省庁間の調整と協力を促進し、オープンサイエンス政策の将来の目標を明確にするとともに、デジタルデータの保存、発見し易さ、アクセスし易さおよび利用し易さを改善するための勧告を行う。
以上の取組みは、研究に対する連邦政府投資から還元される利益の一層の増大、科学的発見の加速、イノベーションへの刺激、起業家精神の振興および経済成長と雇用創出の促進を約束し、2013年のOSTP覚書により表明されたビジョンを支援する。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]