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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立科学財団(NSF)
- 元記事公開日:
- 2017/01/25
- 抄訳記事公開日:
- 2017/03/15
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米国における、博士号取得後10年未満の者に関する統計
- 本文:
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2017年1月25日付の国立科学財団(NSF)の標記発表の記事は、博士号取得後10年以内の者(初期キャリア博士)に関する統計を紹介するものであった。概要は以下のとおりである。
米国の労働者の中において、初期キャリア博士は、博士号を取得した国(米国内外の別)においても国籍(米国市民か否か)の面でも、多様な構成となっている。米国国立科学工学統計センター(NCSES)が推進する初期キャリア博士調査(ECDS)は、米国の高等教育機関、連邦政府出資研究開発センター(FFRDCs)または国立衛生研究所の内部研究プログラム(NIH IRP)に雇用されている個人に関する詳細情報を収集している。この統計は、2015年のECDSパイロット調査によるものである。
推定228,700名の初期キャリア博士のほとんどは、学術機関(96%)に雇用されており、その大多数は科学分野で最初の博士号を取得していた(70%)。約19%が外国の学術機関から最初の博士号を取得していた。今後10年間でどこに就職するかとの質問については、初期博士の69%の者が米国でのみ働く予定であり、27%が米国内外で働く予定であり、3%は海外で働く予定、と報告されている。
その他、同報告に示されていたポイントは以下の通りである。
米国市民と永住者は、2015年に初期キャリア博士の人口の65%を占め、その97%は米国学術機関の博士号を取得していた。 短期ビザを取得した初期キャリア博士のうち、48%は外国で博士号を取得している。一方、米国内で博士号を取得し、短期ビザを取得した者の内、カナダ、中国、インド、ドイツ、韓国からの市民は全体の約3分の2を占める。これらは、米国内で博士号を取得した初期キャリア博士全体の14%を占めている。 外国人博士の推定43,300名のうちほぼ半数が、カナダ、中国、イギリス、インド、ドイツの学術機関から博士号を取得していた。
初期キャリア博士号取得者の大部分(70%)は様々な科学分野で、10%は工学分野で、残りの20%が非科学技術分野で最初の博士号を取得していた。女性は男性と同様に科学分野で最初に博士号を取得する確率が高かった(33%対37%)が、工学分野では確率が低かった(2%対8%)。外国で学位取得した初期キャリア博士は、米国で取得した者よりも科学分野で最初の博士号を取得する確率が高かった(88%対65%)が、工学分野では同程度の率であった(8%対11%)。
2015年には初期キャリア博士の大部分は、大学の教職員の職位(54%)またはポストドクターの採用(31%)を獲得し、残りの(15%)は他の職員の職に就いている。外国で学位取得した初期キャリア博士は主にポスドク職(64%)、教職職(20%)、その他すべての職員職(16%)であった。対照的に、米国で学位取得した初期キャリア博士のうち、大部分(62%)が教職職、次にポスドク職(24%)、その他すべての職員職(14%)が続いた。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]