[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2017/01/10
抄訳記事公開日:
2017/03/15

中国の20余りの省・区・市、「十三五」(第13次五カ年計画)科学技術イノベーションの実施計画の活動を発表

20余省份出炉“十三五”科技创新规划

本文:

2017年1月10日付の「中国科学報」ネット版は、「中国の20余りの省・区・市、『十三五』(第13次五カ年計画)科学技術イノベーションの実施計画の活動を発表」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

2016年8月、国務院は「十三五(第13次五カ年計画)国家科学技術イノベーション計画」を発表した。計画は今後5年間の科学技術イノベーション発展の青写真を描き出し、「十三五(第13次五カ年計画、2016-2020年の国家計画)」期間中に科学技術イノベーションの総体目標を確立し、一連の指標を提出した。その指標は科学技術進歩の貢献率を55.3%から60%に引き上げることや、知識密集型サービス業がGDP(国内総生産)に占める割率を15.6%から20%へ増加すること、研究・試験開発(R&D)経費の投入規模がGDPに占める割合を2.5%に引き上げること、人口1万人当たりの発明特許保有件数が12件に達すること、「特許協力条約(PCT)」を通して特許申請数を2015年に比べて倍増させる等が含まれている。

国務院発展研究センター技術経済部の呂薇部長は、「中国は地域によって発展レベルやイノベーション要素の分布、イノベーション能力の差が大きく、歩調を合わせることが難しい。各省・市は国家計画に基づき、当地の実情、発展段階、科学技術基礎施設等の状況に合わせてイノベーションに有利な環境及びそれぞれの特色を持つ地域イノベーション体系を作り上げ、当地に適する企画を制定すべきである」と表明した。

今まで、中国の20余りの省・区・市は本地域の科学技術イノベーション指標に対して、「十三五」(第13次五カ年計画)科学技術イノベーション計画の活動内容を発表し、2020までの総体目標と具体的目標が提出され、国家の指標を指導・参考とし、相応の調整を行った。以下の通り、各省・都市の取組を紹介する。

北京市:1.研究・試験開発(R&D)経費の投入規模を6%に引き上げる。2.2020年までに全国科学技術イノベーションセンターの中核的機能を更に強化、世界で影響力を持つ科学技術イノベーションセンターを形成し、中国がイノベーション型国家の仲間入りを果たすため力強く支援する。3.中関村科学城、懐柔科学城、未来科学城を建設し、世界一流の総合性大型科学センターを形成する。4.ハイエンド領域に力を入れ、戦略性新興産業の飛躍的発展を加速し、バイオ医薬、エネルギー産業、新エネルギー車、省エネルギー・環境保護等の産業分野で八大技術飛躍プロジェクトを実施し、2020年までに国内最大の新エネルギー車研究開発・応用センターを設立する。5.グローバルな産業変革に向けて脳科学、量子計算・量子通信研究等の大科学計画を実施するなどの内容を提出した。

上海市:1.研究・試験開発(R&D)経費の投入規模を4%に引き上げる。2.2020年までに高品質なイノベーション成果が絶えず出現し、高付加価値の新興産業が都市経済転換の重要な牽引役となることを目指す。3.グローバルイノベーション資源が大幅に増強し、科学技術成果の国際影響力を更に向上させ、世界的な影響力を持つ科学技術イノベーションセンターの基本な枠組み体系を形成する。

重慶市:1.研究・試験開発(R&D)経費の投入規模を2.5%に引き上げる。2. 2020年までにイノベーション型都市の仲間入りを目標とし、まず西部地域のイノベーションセンターを形成する。3.幾つかの新型科学技術研究開発プラットフォームを配置・構築し、重点的に無人運転研究開発イノベーションセンター、人工知能研究開発イノベーションセンターを含む八つの重大科学研究基礎プラットフォームと九つの重点産業技術イノベーションプラットフォームを配置・構築する。

山西省:1.研究・試験開発(R&D)経費の投入規模を2.5%に引き上げる。2.「山西省『十三五』科学技術イノベーション計画」は低炭素イノベーション発展プロジェクトを基に、石炭資源のクリーン・高効率利用を中心とし、クリーンコールテクノロジー(clean coal technology)、省エネー技術等において、石炭ベース技術の分野で重大なブレークスルーを遂げ、石炭ベース産業分野におけるクリーン、安全、低炭素、高効率発展のイノベーションチェーンを基本的に形成することを目指す。

広西チワン族自治区:科学技術イノベーション産業のモデル転換とグレードアップの分野における自動車、機械、非鉄金属、冶金、製糖等の優勢産業において、高効率な科学技術イノベーションの新たな優位性を形成することを目指す。

寧夏回族自治区、海南省:石炭化学、紡績、ワイン、枸杞子(クコシ)及び熱帯農業・林業、海洋、資源・環境、交通運送等を各自の地域の科学技術イノベーションの重点・優先領域とする。

湖南省:2016年、湖南省は知能化大型電磁冶金プラントにおいて鍵となる技術開発や応用等を含む省科学技術重大特別プロジェクト(6件)を実施し、先進製造と新材料を省「十三五」科学技術イノベーション計画の重要な内容として取り組んでいく。

福建省:福建省は2020年までに戦略性新興企業の全省GDP(総生産値)に占める割合を15%に引き上げることを目標とし、新産業、新技術、新プラットフォーム、新業態、新モデル等提出した。

江蘇省:企業のイノベーション主体としての地位を強化し、企業が主体となり技術イノベーション体系を構築する。

浙江省:1.情報経済を先導として、「インターネット・プラス」の世界イノベーションのプラットフォームを構築する。2.企業によるハイレベル研究開発機構の設立を支援し、企業の研究開発後の資金補助メカニズムを構築する。3.牽引役として国家工程実験室、国家重点実験室、国家工程(技術)研究センター等の国家レベル重大イノベーションプロジェクトを受託する浙江省の企業に対して、最高3,000万元(約5.1億円)の資金支援を行う。4.金融によるイノベーションへの支援を強化し、20億元(約340億円)の省科学技術成果誘導基金を設立し、金融機構による科学技術イノベーション型企業への投資・ローン連携先行テストの展開を支援する。5.企業の科学技術イノベーションの具体な指標として、2020年までに浙江省ハイテク産業投資の年平均成長率は15%に達し、ハイテク企業は15,000社、科学技術型中小企業が50,000社に達することを目指す。

河北省:イノベーション型企業育成計画、科学技術型中小企業成長計画、ハイテク企業「双倍増」計画を通じて、2020年までに企業の研究開発費の投入が90%を占め、企業が設立する研究開発機構が80%を占め、研究開発人員の80%が企業に集中することを目標とする。

[JST北京事務所]