[本文]

国・地域名:
フィンランド
元記事の言語:
英語
公開機関:
フィンランド技術庁(Tekes)
元記事公開日:
2017/02/03
抄訳記事公開日:
2017/03/17

成長に向けた企業へのイノベーション助成金

Pekka Soini: Innovation subsidies to businesses, an efficient investment for growth

本文:

フィンランド技術庁 (Tekes)の2017年2月3日付のニュースで、ソイニ・ペッカ長官の談話として標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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企業へのイノベーション助成金は非常に有効な投資で、社会的にも利益をもたらすことがいくつかの調査から証明されている。フィンランド経済研究所(ETLA)が行った2016年の調査では、イノベーション支援は、財政的な刷新と企業間の情報交換を促すということが示された。経済学者は、研究開発に対する投資が社会にもたらす便益は、その投資をした企業が得る便益の2倍になると見積もっている。

2016年の研究、開発およびイノベーション活動に対するフィンランド技術庁(Tekes)の助成金は3分の2に削減された。研究資金削減の影響を受けることがないように、Tekesは中小企業(SMEs)に対し、可能な限りイノベーションに投資するよう働きかけてきた。Tekesが大学や研究機関に提供する資金は、2億ユーロから半分以下まで削減され、研究プロジェクト数も3分の2まで減少し、400件を下回った。

昨年資金提供された研究の成果にはその影響が明確に表れており、完了したプロジェクトの責任者によれば、最終的な論文数は前年と比べて半減し、1,320本から680本に減少したと話している。また、企業と研究機関によるネットワーキングも25%減少した。ネットワーキングが減ることで、研究が企業や産業界にもたらす便益も縮小し、研究成果が十分に活用されなくなり、存続可能なエコシステムの形成にも影響が及ぶ。

長期的に見れば、研究資金の減少により新しい専門家が減少し、革新的な進歩の機会が減って国全体の競争力低下のリスクを引き起こす。こうした傾向に抵抗しなければならず、ビジネスを牽引する研究助成は、成長への投資を保証すると言える。

Tekesは、チーム・フィンランドとして370のSMEにサービスプロポーザルを行っており、こうしたプロジェクトによって2020年までに44億ユーロ相当の輸出を生み出すと見込んでいる。このように企業の国際的な成長と、イノベーションを通じた革新を支援することで、輸出の進展をさらに後押ししていく考えでいる。

[JSTパリ事務所]