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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国民教育・高等教育・研究省(MENESR)
- 元記事公開日:
- 2017/01/31
- 抄訳記事公開日:
- 2017/03/21
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高等教育・研究白書の公表
Remise du Livre Blanc de l'enseignement supérieur et de la recherche
- 本文:
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国民教育・高等教育・研究省の2017年1月31日付報道発表によると、高等教育・研究白書がその作成に当たった委員会からティエリ・マンドン高等教育・研究担当大臣らに提出された。発表の概要は以下のとおり。
2013年7月22日成立の高等教育・研究法により、高等教育国家戦略(StraNES)および研究国家戦略(S.N.R)が策定された。この二つの主要な10年戦略により高等教育・研究のロードマップが設定され、その運用が開始された。同法の第17条では政府が議会に対して5年ごとに提出する高等教育・研究白書の作成も定めている。
政府の要請により2016年6月に高等教育・研究白書委員会が結成され、研究国家戦略、高等教育国家戦略、研究インフラ国家戦略、および策定中の科学・技術・産業文化国家戦略を取りまとめて記載することになった。高等教育・研究白書では、S.N.RおよびStraNESについて最初に実施した方策の総括をしている。また今後の課題を特定し、これらの10年戦略における施策の優先順位を定めて、これらの二つの戦略を実行していくための短期・中期の予算計画を策定している。
以下、予算計画について要約する。
高等教育・研究戦略を成功裏に実施するべく、それに割り当てる資金(特に公的資金)の増額が決定されている。研究開発支出に対して国内総生産の3%(現状は2.23%)を達成するという目標は、”Europe 2020″の5つの目標のうちの1つである。フランスはこの目標を10年間で達成することにしている。高等教育に関してフランスは、欧州が10年間で国内総生産の2%(現状は平均1.4%)達成を目標とするよう提案している。上記目標を達成するには国の支出を10年間で約100億ユーロ増額する必要がある。この取り組みに必要な2017~2020年の期間の予算計画(税制措置を除く)が明らかにされた。2017年予算はこの予算計画の第1段階である。8億5,000万ユーロの予算額の増加が見込まれているが、これに将来への投資計画(PIA)による予算(年あたり約3億ユーロ)を加える必要がある。
・高等教育で2017~2020年の4年間に必要な追加予算額は15億5,000万ユーロ~30億ユーロであるが、学生数の増加状況に応じて再評価される。
・研究予算は、研究室の基盤的予算の増加が3億5,000万ユーロ、および採択率の拡大に伴う国立研究機構(ANR)の予算が3億5,000万ユーロ予定されている。4年間の直接追加ファンディング金額は総額で8億4,000万ユーロとなる。
・研究職の魅力向上策や若手研究者の優遇策の予算も見込まれており、様々な施策に対する4年間の総額は8億2,000万ユーロである。
・この他、現場政策支援に1億3,000万ユーロ、横断的領域としてディジタル化に年3,000万ユーロの追加支援、不動産管理に年3億ユーロの追加支援がある。
・将来への投資プログラムによる年3億ユーロは上記とは別枠である。
[DW編集局+JSTパリ事務所]