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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2017/02/15
- 抄訳記事公開日:
- 2017/03/29
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研究イノベーション審議会(EFI)が年次報告書を提出
- 本文:
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EFIは研究、イノベーション、技術的能力に関する第10回報告書をメルケル首相およびヴァンカ大臣に提出した。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
EFIは10回目の記念となる報告書においてドイツが「トップ・イノベーション拠点」への途上にあり、「著しくこの目標に近づいている」としている。また、ドイツは研究開発の公的および私的支出においても、研究機関および大学の国際的な評価においても、経済の近代化においても明らかに向上しているとし、スタートアップのための法的基本条件およびリスク資本においても多くの進歩があったことを称賛している。
ヴァンカ大臣は「EFIは過去10年間、中立の審議機関としてドイツの研究イノベーション政策の立案において連邦政府を支援してきた。常に意見を一つにしたわけではないが、EFIとの対話は常に重要な刺激を与えてくれた。今回の報告書もドイツは確かに素晴らしい発展をしたが、しかし同時にデジタル化のような大きな重要課題を克服しなければならないことを明らかにしている。傑出したイノベーション拠点というものは研究開発のための優れたコミットメントが必要である」と語った。
ドイツの研究およびイノベーションの展開において連邦政府のハイテク戦略は大きな役割を果たしたており、アカデミア、産業界、市民社会、政界の力を有効に結束させ、2006年当初から優れたアイデアを迅速に革新的な製品およびサービスへ繋げることに寄与してきた。ハイテク戦略の10年間に官民合わせてドイツの将来のための投資を絶えることなく増加させ、2015年には総研究開発費をGDPの3%にするという目標を達成した。EUによる国際ランキングにおいてもドイツはトップを占めており、長きにわたりイノベーション・リーダーの一員となっている。
欧州の研究開発に熱心な企業10社の内ドイツ企業が6社を占めている。BMBFは「10ポイントプログラム:中小企業優先」により、中小企業のイノベーション創出のための支援政策を再度立上げ、より多くの中小企業が投資するよう働きかけている。これは中小企業を地域の大学あるいは大学外研究機関との正しいパートナーシップへと導き、助成策へのアプローチを容易にし、デジタル化、健康、持続可能性といった基幹領域のダイナミズムへと中小企業を結びつけていくことを強化するものである。
EFIはその報告書の中でイノベーション拠点としてのドイツを更に進化させるための行動範囲を明示し、連邦政府に対し、特に科学、輸送、既設企業のイノベーション、起業、ガバナンス、デジタル化等の領域におけるその措置を更に強化するよう勧告している。
ヴァンカ大臣は「3%目標を達成した今、ドイツはイノベーション拠点としてのダイナミズムを維持しなければならない。今こそドイツにおける研究開発支出を更に力強く増加させていくことが必要である。EFIが提案するように、ドイツは、GDPの3.5%を研究開発に投資するという大胆な目標を設定しなければならない。このことは、デジタル化の重要課題に正しく対応し、欧州内に模範を示すために必要である。しかし成功のためには、さらに多くの企業にイノベーションを前進させるよう働きかけていかなければならない」と語った。
[DW編集局]