[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2017/02/16
抄訳記事公開日:
2017/04/05

欧州研究圏(ERA)の2016年進捗報告書を発表

European Research Area Progress Report 2016 Published

本文:

共同研究センター(JRC)の2017年2月16日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===
欧州委員会はこのほど、欧州研究圏(European Research Area:ERA)の進捗報告書第3版を発表した。この2016年報告書には、ERAの現状や2014年から2016年にかけてのERAの実施経過がまとめられている。今回は初めて、EU加盟国、研究関係者および欧州委員会が共同で定めた24の主な指標であるERAモニタリング・メカニズムに基づいて、各々の優先項目について、ERAの進捗状況が国ごとに評価された。ERAイノベーション委員会(European Research Area and Innovation Committee:ERAC)も、ERAロードマップの進捗をモニタリングするための8つの重要な指標を定めている。共同研究センター(JRC)は、ERACの要請を受け、研究卓越性指標(Adjusted Research Excellence Index)の精緻化に貢献している。この指標は、ERAの第1の優先項目 “より効率的な国レベルでの研究システム”に関する進捗を評価する際の重要な指標として選ばれている。

2016年ERA進捗報告書によると、近年はすべての優先項目において著しい進展が見られるが、加盟国間で依然として大きな開きがあるという。今回の分析は、研究イノベーション・オブザーバトリー報告書、実績に基づく資金供与に関する調査、部門間のモビリティ調査およびStairway to Excellenceプロジェクトなど、JRCの様々な研究プロジェクトの成果をもとに行なわれた。ERAロードマップの第1の優先項目に関しては、多くの加盟国が、イノベーションという広範なコンセプトに基づいて各自の全国的な研究イノベーション戦略の見直しを進めており、教育、研究およびイノベーションを一つにまとめ、より幅広い効果を実現しようとしているという。このような全体論的な戦略的アプローチをさらに強化するには、今後、政府投資による今以上に安定した資金供与が必要となる、としている。

[JSTパリ事務所]