[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/02/23
抄訳記事公開日:
2017/04/07

STEM学部学生による研究経験(URE)の影響に関する調査レポート

NASEM: New Report Examines the Impact of Undergraduate ResearchExperiences for STEM Students

本文:

2017年2月23日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記報道発表の概要は、以下のとおりである。

STEM(科学、技術、工学、数学)学部学生による研究経験(URE)が、これらの学問分野に対する学生の興味と執着度を高めるのかについて、疑問を投げかけられている。NASEMからの新しい報告書では、UREに関するエビデンスを検証し、これらの経験がどのように様々な学生に影響を与えているかをより深く理解し、そして、UREのどのような側面が最も有益なのかを調べるためのうまくデザインされた調査の実施を推奨している。

本報告書では、内容、コンテクスト、教育経路を含む参加学生の多様性、学習機会の観点から、急速に進化しているUREの形態と複雑性を検討している。本調査を実施して本報告書を取りまとめた委員会は、学部生の学習におけるUREの役割と、これらの経験が多様な学生、学部および制度的目標を支援するメカニズムについて、多くの未解決の疑問があることを明らかにした。

伝統的なUREのモデルは、研究プロジェクトにおいて学生が教員と共に研究するという形態であるが、UREの形態が拡張してきており、コースベースの経験、インターンシップ、およびコーオプ(協同)教育、さらにメンタリング、調査スキルに関するコース、研究手法と倫理に関するコース等を含むラップアラウンド・プログラムが含まれるようになっている。これらUREは、リーダーシップ、メンタリング、形式、期間の在り方が異なっており、キャリア構成上の価値、目標、結果といった学生の期待の在り方も異なっている。そしてまた、制度的支援、学問的や学際的期待、教員の動機づけと報酬も異なっている。

委員会は、デザイナー、研究者、評価者がUREについてのアイデアと分析を体系化するためのフレームワークを開発し、UREの設計にあたって考慮すべき原則についても概説している。ただし、UREの有効性に関する研究はまだ開発の初期段階にあり、UREをより効果的にするために、様々なタイプのUREとその特性を調べるために適切に設計された研究を実施する必要があると、報告書では述べられている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]