[本文]
-
- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防科学技術研究所(Dstl)
- 元記事公開日:
- 2017/02/15
- 抄訳記事公開日:
- 2017/04/10
-
ITこそが現代の戦闘における立役者である
- 本文:
-
国防科学技術研究所(Dstl)の2017年2月15日付標記報道発表の概要は以下のとおり。
ITは、海上、航空、陸上における現代の戦場に変革をもたらし、新たな立役者であることはほぼ間違いない。Dstlは4月に英国海軍が主導する情報軍事演習の一環として、この実地演習を支援する。情報軍事演習は、昨年の自律型の無人航空機や船舶を使った軍事演習(Unmanned Warrior)の目覚ましい成果を基に行われる。この演習では、英国防軍に戦闘で勝利するための優位性を与えるために、攻撃および防御において情報をどのように活用するかに重点を置く。
Dstlは、英国海軍の「プロジェクト X」プログラムの一環で、比較的小規模の、より機敏性の高い、しかもユーザフレンドリーなセキュア通信の研究を行っている。これにより、より広範囲の状況把握ができることで、新たな発想に基づく作戦が実現可能となる。英国海兵隊はこのシステムを演習で試験して、その司令部が現場の部隊と効果的に通信できることを確認する。
Dstlのオープン・アーキテクチャ戦闘システム(OACS)はもう一つの(新たなアプリケーションがかなり容易になる)実現技術で、広範囲のプロバイダによって開発されたもので、艦船の戦闘システムに組み込まれる。OACSは、STARTLEなどの人工知能(AI)アプリケーションの配備を可能にするべく、情報軍事演習において使用される。
AIは情報軍事演習の主要テーマである。STARTLEは AIの可能な最初のアプリケーションの一つである。AIベースの推論を用いて操縦者の空中移動解析を支援し、数秒で潜在的脅威を特定する。その他のDstlプロジェクトでは、AIとビッグデータを利用して無人航空機からの画像の解析強化を図り、着陸可能な場所や上陸部隊を支援するためのルートを検討する。
サイバーレジリエンスも主要テーマの一つである。サイバーセキュリティ国家戦略に従い、サイバー脅威に対する英国海軍部隊の安全とレジリエンスが確保できるようDstlの技術専門家が英国海軍を支援する。結果的に情報軍事演習では、サイバー脅威や従来の脅威に対する英国海軍の防御能力を鍛え、この急速に進化する領域で英国のサイバー防御能力を最高の状態に維持・確保する。
情報の有効活用(IX)も情報軍事演習の優先課題の一つである。この領域でのDstlの支援には、適応型戦術的情報活用(ATIX)プロジェクトおよび各プラットフォームに一つのセンサー(EPAS)プロジェクトがある。ATIXでは司令部による複雑な状況把握の向上に資するべく、利用可能なデータ・ソースをすべて活用し、データ解析、機械学習、統計処理を行う。現在、センサーで収集されているデータの多くは活用されていないが、EPASでは利用可能なすべての情報源から事象に関する有用な情報を抽出することで、この問題に対処する。
[DW編集局]