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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州研究会議(ERC)
- 元記事公開日:
- 2017/03/08
- 抄訳記事公開日:
- 2017/04/21
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欧州研究会議設立後10年の成果を発表
Ten years of the European Research Council: A European success story
- 本文:
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欧州研究会議(ERC)の2017年3月8日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州の卓越した研究者を支援するため、EUにより設立された欧州研究会議(ERC)が創立10周年を迎えた。ERCは、これまでに6人のノーベル賞受賞者を含む数多くの研究者をサポートしてきた。ERCの助成金は、約50,000人の研究スタッフにキャリアの機会を提供し、数々の科学的なブレークスルーを生み、800件を超える特許申請に結び付いた、としている。ERCの10周年を記念し、欧州の研究機関や各国の関係当局が、2017年3月13日から19日までの「ERCウィーク」に様々なイベントを計画している。また2017年を通じて、米国、インド、日本など世界各地でも祝典が開催される予定。
今後予定される100以上のイベントのうち、ロンドンのテート・ギャラリーでは市民による科学実験、ストラスブールではカルロス・モエダス委員およびノーベル賞受賞者でERCの助成金受給者でもあるジャン=マリー・レーンと市民との対談会、マドリッド科学技術博物館では展覧会が開かれる。3月21日には、ERCウィークの締めくくりとして、ブリュッセルで科学会議と祝賀会が開かれる。
ERCの10年間の主な成果は次のとおり。
- 研究者:およそ7,000人が助成金を受給。チームのメンバーは50,000人を超え、大半は博士課程学生およびポスドク。支給総額は120億ユーロ。
- 助成金受給者7,000人の大半が、40歳未満。
- 終了プロジェクトの70%超が、発見や大きな前進に結び付いている。
- ERCの助成金受給者から、6名のノーベル賞受賞者および4名のフィールズ賞受賞者を輩出。他にも数多くの重要な賞を授与されている。
- 学術誌に掲載された論文は10万件におよび、被引用件数がトップ1%の論文5,500件超を含んでいる。2014年、欧州はこの点で初めて米国を上回っており、ERCの助成金受給者が貢献した。
- 世界的な認知度:ERCは欧州内外の科学界から高く評価されている。
- 欧州域外9か国との間で、ERCプロジェクトのための研究者の短期訪問を可能とする欧州委員会との国際協定を締結。
- ERCの助成金を受けて欧州に移住した180人を超える研究者の大半は欧州出身者である。
- 国家レベルの研究資金:8か国がERCをモデルに国の研究会議を設立。17か国がERCの競争的資金制度に応じた、もしくは補うための資金配分制度を調整。
- イノベーション:ERCのプロジェクトが800件超の特許申請および75件超の新規ベンチャーに結び付いた。 [JSTパリ事務所]