[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
財務省
元記事公開日:
2017/03/08
抄訳記事公開日:
2017/04/21

2017年度春季予算案の21項目の概要

Spring Budget 2017: 21 things you need to know

本文:

財務省は2017年3月8日付で標記予算案を発表したところ、その概要が21項目に分けて示されている。その中から科学技術、イノベーションに直接関係する部分を抜粋要約して以下に記す。

・16~19歳の若年層に対する技術教育への投資を5億ポンド強に引き上げ
2019年秋から16~19歳の技術系学生向けに新たにTレベルを導入する。学生は建築、デジタル、農業など15種類の進路から選択できる。これら学生に対する授業時間数を50%以上増やす。すべての学生はコースの一環として産業界での業務実習に参加する。
政府はまた、国立大学や工科大学などのハイレベルの技術コースに通う学生に対して生活費貸付を行う。

・新たな学術研究職に3億ポンドの投資
STEM分野における博士の新規ポスト1,000件のため9,000万ポンドを準備。
生物科学、バイオテクノロジー、量子技術、衛星・宇宙技術などの領域で世界的にトップクラスの研究人材を引き寄せるプログラムなど、新たなフェローシップの創設に2億1,000万ポンドを準備。

・2018年から定時制および博士課程学生向けの貸付
政府はハイレベルの学業を支援するため、定時制学士課程入学者向けの生活費貸付および博士課程貸付に最大2万5,000ポンドの貸付金を準備。

・産業戦略チャレンジ基金の立ち上げに2億7,000万ポンド
同基金を通じた当初のファンディングでは、大学および企業における次のような領域での研究・イノベーションを支援する。
-洋上エネルギー、原子力、宇宙など極限環境で稼働する人工知能およびロボット技術の開発
-大気の質の改善に役立つ新型電気自動車向けの、より高性能なバッテリーの設計・製造
-患者の薬剤利用の早期化を図るための、医薬製造技術の向上

・国家生産性投資基金(NPIF)による輸送手段の向上
政府は次のような輸送インフラの向上にファンディングを実施する。
-道路の渋滞や公共輸送の混雑の改善を図る新規ローカル輸送プロジェクトに6億9,000万ポンド
-国道の渋滞個所の改善に2億2,000万ポンド。そのうち北部には9,000万ポンド、ミッドランド地方には2,300万ポンド
-今後12か月間のローカル・プロジェクトの支援、たとえばチェシャーのA483回廊の改修など

・第5世代(5G)技術で英国を世界のリーダーたらしめる新規戦略
新たな5G技術を試行する全英5Gイノベーション・ネットワークに1,600万ポンド。また高速・高信頼性のフルファイバー・ブロードバンド・ネットワークを構築するローカル・プロジェクトに2億ポンド。

[DW編集局]