[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2017/03/13
抄訳記事公開日:
2017/04/26

大学教育におけるデジタルメディアの利用に関する研究

Auf dem Weg zum virtuellen Hörsaal

本文:

専門審査委員会がドイツ国内39研究所における、大学教育デジタル化に関するプロジェクトを選考。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

物理学を学ぶ大学生は、実験を行うためにデジタルメディアを利用できるとすれば、より効率的に学ぶことができるのか。オンライン・ティーチング・プラットフォームは医学生たちの解剖に関する理解に役立つのか。多くの学生にとってデジタルメディアは日常的なものであり、総合大学および専門大学では新しい方法で実験を行っている。大学教育におけるデジタルメディアの利用およびその限界に関する研究の必要性は高く、BMBFはこうしたプロセスを大学教育におけるデジタル化の新しい研究分野を振興することによって支援する。

専門審査委員会が39研究所における20の個別・合同プロジェクトを採択し、このほど助成をスタートさせた。焦点となるのはデジタル高等教育、新しい教育的デジタル・コンセプトそして技術的新開発の取り込みに関する研究分野の持つチャンスとリスクをバランスよく考察することである。今後3年間に合計1,200万ユーロで助成される研究プロジェクトはBMBFの「デジタル知識社会のための積極的な教育」に大きく寄与するものである。

クエネット・ティーレン次官は「デジタル技術の利用は大学教育の改善に役立つ。またデジタルメディアは再教育の必要性のある学生の増加に対応するために新しい、興味ある可能性をもたらしてくれる。デジタル化された教育に関する建設的な議論については科学的に確立された知識が必要である。こうした技術の利用による学習効果並びに効用を集中的に研究しなければならない」と語り、「デジタル化が自動的により良い教育へとつながるものではないが、学生に活発に働きかけるために、デジタル技術の利用の背後にある教育的なコンセプトが決定的な意味をもっている」と続けた。

これらのプロジェクトにおいては、デジタル教育および学習フォーマットの効果そして大学における組織的な条件が調査される。その際問題となるのは、デジタル学習フォーマットが個別の学習に寄与することができるのか、あるいはどのような方法が多様性の受容の促進に最もつながるのかということである。その場合、人と技術のインタラクションの領域における現在の分析によれば、デジタル教育の最適な環境と同様に、大学のデジタル化戦略、さらにはデータ保護およびデータセキュリティの問題も非常に関心のあるところである。

[DW編集局]