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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 研究・イノベーション総局
- 元記事公開日:
- 2017/03/24
- 抄訳記事公開日:
- 2017/05/10
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欧州委員会の科学顧問団がデジタル単一市場のサイバーセキュリティに関する見解を発表
Commission's top scientific advisers publish opinion on Cybersecurity in the Digital Single Market
- 本文:
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2017年3月24日付の欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局による標記に関する発表記事の概要は以下の通りである。
欧州委員会の科学的助言メカニズム(SAM)のハイレベルグループは、デジタル単一市場におけるサイバーセキュリティに関する新しい独立した科学的見解を発表した。アンドラス・アンシップ欧州委員会副委員長の要請により、科学顧問団は、個人と企業が、EUにおいてより簡単かつ安全にオンラインでやり取りをするための数多くの推奨を行っている。
科学的見解には、次の推奨事項が含まれる。
・通常の認証プロセスを迂回する「バックドア」を避け、最先端の暗号化標準を使用することなどにより、システムをよりセキュアにすること。また、システムが適切に保守され、ハードウェアとソフトウェアの技術的な脆弱性が軽減されることを保証する消費者に対する注意義務の原則の設定。
・オンライン取引において人々がセキュリティを確保するために必要なデータのみを求められるようにする「コンテキストに合わせた」デジタル認証や、人々に彼ら自身のデータに対するより広範な選択と権限を付与することにより、ユーザーの権限強化を図ること。
・人々に必要なスキルを身につけさせること等により、欧州にとって戦略的に重要なサイバーセキュリティ産業を強化すること。
・欧州各地のサイバーインシデントに関する情報の調整や共有を改善し、欧州の機関が十分な技術的専門知識を持つようにすること。また、EUが主要な役割を果たすグローバルなサイバーセキュリティガバナンスの枠組みを確立すること。この見解は、包括的な文献調査(特に科学的報告書を対象としたもの)、ならびに科学的専門家との幅広い協議に基づいて作成された。また、政策、産業、市民社会の利害関係者からのフィードバックも考慮に入れられたものである。
科学的助言メカニズムについて:
2015年10月に設立された科学的助言メカニズム(SAM)は、EUの法制の質の向上に貢献するために設立された欧州共同研究機関専門の専門家グループである。高レベルの科学アドバイザーは、個人の資質に基づいて任命された7名の独立した有力な科学者から構成されている。当グループは、広範な科学的専門知識を有しており、とりわけ欧州および全米の学会との緊密な関係を通じて、欧州委員会のメンバーに対して公益上の問題について助言を行う。 [DW編集局]