[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2017/03/16
抄訳記事公開日:
2017/05/11

DARPAが経験から学ぶ機械の開発に着手

Toward Machines that Improve with Experience

本文:

2017年3月16日付の国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

DARPAは、生物を真似た「学習する」システムの基盤の研究開発を行う新プログラムを開始した。自動運転タクシー、 適切に音声応答できる携帯電話、 チェスおよび碁の世界チャンピオンに勝つソフト等、人工知能(AI)は、民間部門から防衛部門に至るまでその応用が広がっている。

現存する最優秀なAIシステムでさえ、適応性のある生物学的知能には及ばない。既存のAIは巧妙なプログラミングと大規模なデータセット(機械学習(ML)と呼ばれるフレームワーク)に依存しており、特定の要素や状況を具体的に指定していない限り、MLは何をすべきかを決定することができない。このAIのあり方は、経験に適応して学ぶことができる単純な生物システムとは全く違うものである。このため、DARPAは新しい生涯学習機械(L2M)プログラムを研究開発することにした。

L2Mプログラムの技術目標は、未知の環境下においても学習することができ、その学習したことを応用して更に優れた信頼性の高いものとなることを可能とする次世代ML技術の開発である。例えばプログラムされていない事故等の経験から得られた知識を活用した自動学習能力は、自動運転車両の安全性を高めることが期待される。

この目標を実現するために、L2Mプログラムでは、子供や生物システムのように生活をを訓練セットとみなし、実地の経験からシステムが学ぶことができる新しいMLを開発する。特定の状況から一般化可能な教訓を得て、経験から本当に学ぶことができる機械を開発する方法に対する根源的な理解が未成熟であることから、 L2Mプログラムは、このメカニズムを探求するためにコンピュータ科学者と生物学者によるコミュニティを構築する。

4年間のL2Mプログラムでは、次の2つの技術分野が対象とする。一つ目は、過去の経験の結果を継続的に適用し、新しいデータや状況に「教訓」を適用できるMLフレームワークの開発である。もう一つは、生きているシステムがどのように学習し、適応するかに焦点を当て、それらの原理と技術をMLシステムに適用できるかどうか、に関する研究である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]