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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2017/03/28
- 抄訳記事公開日:
- 2017/05/15
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複数の都市で総合性国家科学センターの建設案を策定、国際的に重大な科学技術のトップを目指す
- 本文:
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2017年3月28日付の「中国科学報」ネット版は、「複数の都市で、総合性国家科学センターの建設案を策定、国際的に重大な科学技術のトップを目指す」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
総合性国家科学センターは国家科学技術分野での重要なプラットフォームで、国家イノベーション体系建設の基礎的なプラットフォームである。業界関係者は「経済参考報」記者のインタービューを受けた際、「総合性国家科学センターが世界科学技術の最先端の研究開発を目指している。北京、上海、合肥の他に、中西部地域で研究環境の整っている都市において、総合性国家科学センターの建設を目指して努力し、地域自身の優位性を重点に置き、各自の科学技術発展を高めてもらう」と述べた。
華中科学技術大学の馮丹教授は、「中国科学技術の発展は新たな階段を上り、総合性国家科学センターは基礎科学研究の投入を更に増加し、国際的にも先進的な独創性の高い成果を創出することを目標としている」と指摘した。
中国科学院大学金融科学技術発展センターの執行主任である曹斌氏は、「科学技術センターと異なって、総合性国家科学センターは主に基礎研究を更に強調していく。科学研究には、高投入、低産出、周期長という特徴があり、地方政府の点から言えば、自主イノベーション能力、想像空間を備える地域産業を発展させ、今後の持続可能な発展にとっても有益である」と表明した。
現在、上海、安徽合肥総合性国家科学センターの建設案が承認され、積極的に建設を配置している。その他、湖北省の武漢の他、成都、深セン、西安、北京等の都市は総合性国家科学センターの建設案を策定する見込みで、地域自身の優位性に重点を置き、それぞれの地域の各自の発展方向を目指す。その要点は以下の通りである。
武漢:
1. 武漢市の総合性国家科学センターの建設案が初期的に策定され、国家発展改革委員会と科学技術部に提出された。具体的には、パルス強磁場、精密重力測量、光電国家実験室、国家メモリー基地等の重大科学技術基礎施設の建設を重点に置き、上海張江と合肥に次ぐ第三の総合性国家科学センターとなる見込み。
2. 武漢は武漢大学、華中科学技術大学等の84カ所の大学及び30カ所の国家レベル実験室、重点実験室があり、科学技術教育の実力が北京、上海に次いで全国第3位にランクされ、東湖国家自主イノベーションモデル区の知識創造と技術創造能力が全国ハイテク区で第2位となり、総合性国家科学センターの建設に堅固な基礎を打ち立てている。
3. 目下、武漢は華中科学技術大学の強磁場、重力測量、光電実験室等の重大基礎施設を持ち、武漢大学の同歩光源、北闘衛星測位システム(GNSS)等が全国の先頭に立っている。その他、国家国産メモリー基地の建設が2016年末に正式に開始され、2018年に第一期の建設を完成する見込み。成都:
2017年全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)では、全国人民代表大会の代表、成都市委書記である唐良智氏は、「成都科学城で軍民融合を特徴とする総合性国家科学センターの建設を配置、核科学、航空宇宙、ネットワークセキュリティ等を中心に、国防基礎科学研究と先端技術原始イノベーションを推進し、国防と経済建設に有力なサポートを提供する」と建議した。上海:上海張江はライフ、材料、環境、エネルギー、物質等の科学分野に注目を集め、学際的な多学科研究計画を立てて、重大で独創性の高い科学成果のブレークスルーの実現を推進する。
合肥:主にエネルギー科学、材料、情報等の分野に焦点を絞る。
北京:主に先進光源、物質科学総合極端条件実験装置、自由電子レーザー等の分野に焦点を絞る。 [JST北京事務所]