[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2017/03/23
抄訳記事公開日:
2017/05/24

新しい「コンピューティング」の概念として化学に目を向ける

Turning to Chemistry for New “Computing” Concepts

本文:

2017年3月23日付の国防高等研究計画局(DARPA)の標記発表では、コード化された分子を用いて莫大な量のデータを蓄積・処理する方法の開発について述べている。概要は以下のとおりである。

世界的にディジタル・データの複雑性や量が増大するにつれて、より大容量でコンパクトなデータ処理・蓄積手段の必要性が増している。この課題に対処するためDARPAはデータの蓄積、検索、処理に関する新しいパラダイムを探るための分子情報プログラム(Molecular Informatics program)を発表した。フォン・ノイマン・アーキテクチャに基づくバイナリ・ディジタル論理のコンピュータに頼るのではなく、分子情報プログラムではデータのコード化や操作のために広範囲にわたる分子の構造的性質や特性の研究および活用を狙っている。

DNA配列に基づくものなど分子記憶の概念が近年進歩を遂げ、極小規模の物理スペースしか占めない形式でのディジタル・データのアーカイブ保存が有望視されている。しかしDNA記憶では、まず分子ベースのデータを既存の情報システムで使用するために電子ディジタル形式に戻さなければ、DNAコード化データの指定部分の迅速な読み込みおよび処理はできない。分子情報プログラムが課す主要な技術的課題は、高密度記憶の概念と全く新しい非バイナリ情報構造を介した分子コード化された情報の処理を統合することにある。本プログラムの狙いは、数百万規模の分子からなるはるかに広域の設計・コード化空間において、そのようなチャンスを探ることである。

上記目的達成のために、本プログラムでは化学、コンピュータ・情報科学、数学、化学工学、電気工学などの分野出身の多様で協力的な研究者コミュニティを必要とする。このような包括的チームは、データを分子にコード化する方法、分子で実行可能なデータ操作のタイプ、分子環境における「計算」の意味、などの基礎的な疑問に応える必要がある。我々の現在の能力を超える数学・コンピューティング上の問題に取り組むことで、本プログラムは情報の蓄積・処理における分子の活用のチャンスの発見および明確化を狙っている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]