[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
下院科学・宇宙・技術委員会
元記事公開日:
2017/04/04
抄訳記事公開日:
2017/05/30

連邦議会が包括的気象研究・予測法案を承認

Congress passes comprehensive weather forecasting and research bill

本文:

2017年4月4日付の米国連邦議会下院科学・宇宙・技術委員会による標記記事の概要は以下のとおりである。

カテゴリ5のハリケーンからエルニーニョまでのすべての予測を向上させることを目的とする気象研究・予測イノベーション法2017(Weather Research and Forecasting Innovation Act of 2017)の法案が連邦議会上下両院を通過した。大統領の承認を受ければ、本法は1990年代初頭以降で最大の気象関連法となる。

本法案は、短期から長期にわたる異常事象の予測を改善する研究に重点を置いている。本法案は、2週間から2年間の天気予報の改善に焦点をあてており、これらは農家や公益事業者にとって極めて有益な情報となるであろう。また、本法案は、政府による気象予測の改善のために民間が気象データを創出するような刺激策を提供している。

本法案は以下のような条項を含んでおり、その実施は国立海洋大気局(NOAA)に求められる。

・竜巻の警告を改善するためのプログラムの策定
・ハリケーン予測改善プログラムの再構築
・気象研究の正式な計画の立案
・気象モデルの状況に関する年次報告の作成・短期(2週間〜3カ月)、中期(3カ月〜1年)、長期(2年まで)の気象予測の作成
・商業的な気象衛星データの購入の検討
・社会科学者や行動科学者からの勧告に基づいた監視・警報システムの改善
・全国の気象レーダーカバレッジの空白領域の調査
・ハリケーンハンター航空機のバックアップの確保
・米国の津波警報システム・津波調査の改善、関連教育の強化

本法案は、優先順位を設定し、上記の多くの取組みに関するファンデイングを承認しているが、必ずしもNOAA予算の新規獲得や増額を約束するものではない。トランプ大統領の予算案で提案されているように、NOAAの全体的な資金が削減されれば、この法律によって保護されていないプログラムは危険にさらされる可能性がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]