連邦教育研究省（BMBF）は構造的に弱い旧東ドイツ地域の開発を促進させるため、新たに「イノベーションによる地域変革－WIR！」と題するプログラムをスタートさせ、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

ヴァンカBMBF大臣はメルケル首相、旧東ドイツ各州首相にプログラムを説明し、「イノベーションは有効な構造変革および明るい未来への鍵である。旧東ドイツ地域におけるイノベーション促進をさらに推し進め、このプログラムを2020年以降、ドイツ全域にも広げていく所存である」と語った。

BMBFはこのプログラムを今年度中にもスタートさせる。同プログラムはパイロットフェーズ（予算額：1億5,000万ユーロ）から旧東ドイツ地域支援策「連帯協定－II 2019（Solidarpakt-II）」の終了（2019年）までとする。総合的な地域的イノベーションコンセプトおよび連携を推進するということで選考されたプロジェクトでを助成する見込み。一方、地域サイドとしては開かれた助成基盤をベースに、それぞれが特有の強みを生かして、既存イノベーションセンターの枠を超えて、人口減少地域における高度医療、エネルギー転換、資源効率化、食料および農業、鉱山地域における構造変革あるいは居住および労働の場としての農村地域の魅力等が期待されている。

「イノベーションによる地域変革－WIR!」プログラムは新助成コンセプト「イノベーションと構造変革」の一部であり、BMBFはこれによって東西ドイツにおける構造的に脆弱な地域のイノベーション力を向上させ、イノベーション創出への雰囲気を醸し出していこうとするものである。特に、中小企業をはじめその他のイノベーション・ステークホルダーと大学および研究機関との戦略的協力が推進される。BMBFは社会的、組織的でテクノロジーに限らないイノベーションを意識して取り込み、領域を特定しない助成を行う。

2020年までには旧西ドイツの構造的に弱い地域も組み込まれることになる。「イノベーションおよび構造変革」は旧東独地域支援イノベーションイニシアチブ「企業・地域（Unternehmen Region）」の経験をベースとしており、BMBFは2000年から2022年までに主として旧東ドイツのクラスターに合計20億ユーロ強の投資を実施した（一部予定）。ヴァンカ大臣は「企業・地域」イニシアチブにより、地域の人々と共にイノベーションによって変革を前進させることを証明した。この経験を特有の課題を抱える地域を支援するために役立てることができる」と語った。

[DW編集局]