[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
研究・イノベーション総局
元記事公開日:
2017/04/07
抄訳記事公開日:
2017/06/06

欧州委員会、最初のイノベーション・ディールで廃水の再利用に取り組む

European Commission addresses barriers to innovation: the first Innovation Deal focuses on water reuse

本文:

2017年4月7日付の欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局による標記に関する発表記事の概要は以下の通りである。

欧州委員会は、国や地方の当局、大学、知識センター、イノベーター、およびエンドユーザーからのなる14のパートナーと共に、「嫌気性膜技術(AnMbR)と水再利用を組み合わせた持続可能な廃水処理」に関する最初のイノベーション・ディールに署名することで、イノベーションを阻害する規制上の障壁に取り組むための具体的な一歩を踏み出した。

カルロス・モエダス研究・科学・イノベーション担当委員は「イノベーション・ディールは、既存のEU立法枠組みにおいてイノベーションの規制上の障害に直面しているイノベーターを支援する、より現代的で柔軟な管理体制に向けての手段である。イノベーション・ディールを実施することは、欧州委員会が、単にルールを設定するだけでなく、イノベーションを通して政策目標を達成する上で実践的かつプロアクティブな取り組みを行う機関へと変革していることを示している。」と述べた。

環境・海洋漁業担当委員のカルメヌ・ヴェッラは「この水分野における最初のイノベーション・ディールは、循環型経済の推進に役立つ。ヨーロッパの水政策がどのように機能しているかをチェックする時が来ている。我々は、政策をより整備しやすくシンプルで使い勝手のよいものにしたいと考えているが、イノベーション・ディールはその役に立つ。」と述べた。

最初のイノベーション・ディールは、農業目的での水の再利用について影響を及ぼしている既存の規制の枠組みに焦点を当てている。EUの法制がどのように廃水からイノベーションを通じて効率的に資源を回収できるのかを明確にする。

イノベーション・ディールはまた、農業用灌漑の新しい供給源としての革新的なソリューションの可能性を開くことにより、欧州の乾燥地域において重要な影響を与える可能性がある。

背景:
イノベーション・ディールは、イノベーションに対する既存の規制の障壁を克服しようとするイノベーターを支援するため、関連する国内、地方、EUの規制機関を結集することを目的とした随意協定である。イノベーション・ディールのコンセプトは、欧州委員会の循環型経済パッケージの範囲で開始された。

欧州議会の競争力委員会は、2016年5月27日の決定で、欧州委員会に対しイノベーション・ディールのパイロット段階の取り組みを開発・推進するよう要求した。2018年中盤までに、このパイロット段階の取り組みの結果が評価される予定である。

[DW編集局]