[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州研究会議(ERC)
元記事公開日:
2017/04/07
抄訳記事公開日:
2017/06/08

EUから231名の上級研究者に5億4000万ユーロのERC アドバンスト・グラント

ERC Advanced Grants: €540 million from EU to 231 senior researchers

本文:

2017年4月7日付の欧州研究会議(ERC)による標記に関する発表記事の概要は以下の通りである。

欧州研究会議(European Research Council)は、本日、欧州における231名のトップ研究者にアドバンスト・グラントのアウォードを発表した。総額5億4000万ユーロの助成金は、科学、社会、経済に大きな影響を及ぼす最も創造的なアイデアを実現するチャンスを与える。この助成金はEUの研究・イノベーションの枠組プログラムHorizon 2020の「卓越した科学」のもとで行われる。

カルロス・モエダス研究・科学・イノベーション担当欧州委員は「Horizon 2020による資金配分を受けたERC グラントは、最高のアイデアを追求し、科学とその他の分野において真の違いを生み出す自由を科学者に与える。ERC グラント授与者の研究と成果はEUにとって市民を再び結び付け、また市民の期待に応えるための最良の方法である。これらの新しい成果とともに、現在28のEU諸国すべてがERC グラントに参加していることを非常に誇りに思う。」と述べた。

ERCの会長であるジャン・ピエール・ブルギニョン教授は「上級研究者によって提案された他の231の野心にあふれたプロジェクトが支援されることは欧州にとって素晴らしいニュースである。実際、この募集の徹底的なピアレビューの評価はより多くの科学者が支援に値する真に画期的な特質を持ったアイデアを提案したことを再度示している。残念ながら、2016年度のERC予算では、応募者の9.6%にしか資金配分することができなかった。次年度以降のERC予算増加計画では欧州が提供し引き付ける豊かな才能やアイデアに見合うものになることを願う。」とコメントした。

新たに採択された研究者の研究は奨学金のすべての分野を網羅しており、それにはエネルギー効率のよい冷却技術の開発や四肢の再生に対する理解から、社会的およびビジネスネットワークが危機に直面する企業の耐性の強化をどのように支援できるかについての新たな知見まで含んでいる。

助成対象者は、ドイツ(45件)、英国(41件)、スイス(25件)、そしてフランス(23件)を主要研究拠点として、欧州研究地域の20カ国の大学や研究機関でプロジェクトを実施する。この競合において、24の国籍からなる研究者がファンディングを受けており、ドイツ人(46名)、英国人(37名)、オランダ人(21名)、フランス人(18名)が最も人数が多かった。

ERC グラントの需要は依然として非常に大きい。今回は約2,400件の研究提案が提出されたが、そのうち9.6%がファンディング対象に選ばれた。女性研究者の提案は全体の約16%を占めており、助成金の16%が女性に授与された。

これらの助成金は、トップの研究者が科学の最前線で最善のアイデアを実現できるだけでなく、推計2,000名ものポスドク、博士課程の学生、その他のスタッフが授与者の研究チームに雇用されることになり、雇用創出にもつながる。

[DW編集局]