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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2017/05/14
- 抄訳記事公開日:
- 2017/06/21
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中国科学院大学、国際理論物理センター(アジア太平洋地域)を創設へ
- 本文:
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2017年5月14日付の「中国科学報」ネット版は、「中国科学院大学、国際理論物理センター(アジア太平洋地域)を創設へ」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
5月13日、中国科学院の白春礼院長、国連教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, UNESO)のイリナ・ゲオルギエヴァボコヴァ( Irina Georgieva Bokova)事務局長は中華人民共和国政府とユネスコを代表して、中国科学院大学にUNESOの第2類機構―国際理論物理センター(アジア太平洋地域)を創設することを発表し、調印した。
白春礼院長の紹介によると、3年間で、「中国科学院―開発途上国科学院(CAS-TWAS)奨学金」プログラムの資金援助を通じて、400名余りの開発途上国の若者が中国科学院大学で学位を取得すべく、学んでいる。白院長は、「中国科学院は国際理論物理センター(アジア太平洋地域)の創設と発展に全力を注ぐ」と述べた。
イリナ・ゲオルギエヴァボコヴァ( Irina Georgieva Bokova)総幹事は、「ユネスコ(UNESO)二類機構―国際理論物理センター(アジア太平洋地域)を設立することは重要なプロジェクトの一つであり、より良い協力の契機となることを信じている。国連アジェンダ2030及び持続可能な開発目標(SDGs)は、全ての基礎科学に関わることで、国際理論物理センター(アジア太平洋地域)の創設は実質的な科学の発展と南南協力(※)を促進できる」と表明した。
「国際理論物理センター(アジア太平洋地域)」の提案は中国科学院から提出され、第38回ユネスコ総会の審議を通じて可決した。国際理論物理センター(アジア太平洋地域)計画は中国科学院、国家自然科学基金委員会及び国際理論物理センターの共同による創設で、先端基礎科学と関連学際領域におけるハイレベル科学研究、教育と訓練・育成を展開する非営利組織で、基礎科学分野において中国国内初のユネスコ第2類機構である。
国際理論物理センター(アジア太平洋地域)は中国科学院大学パークの中に建設され、中国科学院の良好的科学・教育環境の下で、アジア太平洋地域及び世界の科学者に対して基礎科学、特に先端的な理論物理及び関連学際領域におけるハイレベルの科学研究に参加する機会を提供する。
その他、国際理論物理センター(アジア太平洋地域)は研究生とポスドク(博士研究員)の科学研究育成プロジェクトと奨学金プログラムを実施し、科学・教育分野の融合を促進する。
※ 南南協力(South-South Cooperation, SSC)は、「南(途上国)」の国・地域同士が政治、経済、社会、文化、環境、技術などの分野において、幅広い枠組みの中で協力することを指す。
[JST北京事務所]