[本文]

国・地域名:
スイス
元記事の言語:
英語
公開機関:
スイス国立科学財団(SNSF)
元記事公開日:
2017/05/11
抄訳記事公開日:
2017/07/07

オープンリサーチデータ:SNSFがデータ管理計画のガイドラインを発表

Open Research Data: SNSF issues guidelines for data management plan

本文:

スイス国立科学財団(SNSF)は2017年5月11日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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公的資金を供与されて実施した研究のデータおよび判明事項には、すべての人々が自由にアクセスできるべきというのが、スイス国立科学財団(SNSF)が提唱するオープンリサーチデータの原則であるが、その第一歩としてSNSFは、2017年10月に研究申請の際の不可欠な要素としてデータ管理計画(data management plan:DMP)を導入する。

申請者は、分りやすくかつ、各自のプロジェクトに適合し、その研究コミュニティで定められている基準を満たすようなDMPを提出しなければならない。提出段階において、DMPは草案と見なされ、評価プロセスからは除外されるが、SNSFがその申請を承認した場合、当該プロジェクトが継続する限り助成金受給者はそのDMPを調整、改善し、遅くともプロジェクトが終了するまでに最終的なDMPを提出しなければならない。

SNSFは、プロジェクト申請書とともにDMPを提出した時点から研究データをデジタル・データベースにアップロードするまでの期間を、研究者とSNSF両者にとっての学習期間と捉えている。SNSFは、オープンリサーチデータに関する情報公開の必要性に迫られていることを考慮し、国内外の進展状況に関連した一連のリンクと、オープンリサーチデータに関するFAQ(よくある質問)の一覧をまとめており、今後定期的に更新していく予定。

またSNSFは、オープンリサーチデータに関するワークショップも支援する。DMPやデータ・フォーマット、適切なリポジトリに関連したベストプラクティスの議論を希望する研究コミュニティは、新制度のもとワークショップ助成金をを申請することができる。SNSFは、2017年10月まではこうしたワークショップの資金申請を受領する意向。

SNSFのデータ管理計画は、研究データのライフサイクルについてプロジェクト開始前に熟考するよう研究者を奨励することを意図している。データがすでに公開されている場合、そのデータはメタデータとともに、非営利目的のデジタル・データベースで利用可能な状態にしなければならない。またデータ・フォーマットは、法律上、倫理上もしくは知的財産権上の制約がないことを条件に、関心あるすべての人々がそのデータを探してアクセスし、再利用できるようにする。SNSFは、アップロードのためのデータ準備およびアップロード作業自体に要する費用に約10,000スイスフランの資金を充てる。

[JSTパリ事務所]