[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2017/05/24
抄訳記事公開日:
2017/07/10

科学者グループが議会に対して2018年度研究開発予算案の拒絶を要求

Broad Swath of R&D Groups Press Congress to Reject Fiscal 2018Budget Plan

本文:

5月24日付けの米国科学振興協会(AAAS)による標記記事の概要は以下のとおりである。

約150もの科学、工学、医療、学術機関が、米国の繁栄を長く支えてきた国家による研究開発事業を守り、2018年予算案でホワイトハウスが提案した急激な予算削減案を拒絶するように、連邦議会に要請した。

ホワイトハウスが研究開発プログラムの大幅削減を含む約4兆1000億ドルの予算案を議会に提出した後、科学者グループは、議員達に宛てた書簡の中で「国家による研究開発のおかげで、米国は世界的に優れた、最も効果的で人気の高いイノベーションパートナーの地位にある。これは、米国の繁栄を支える最も強力なエンジンの一つであり、個々の機関の合計をはるかに超える価値を生み出している。歴史は、安全で豊かで競争力のある未来は、科学・工学の全分野のおける研究から生れることを証明している」と述べた。

ポール・ライアン(Paul Ryan)下院議長、ナンシー・ペロシ(Nancy Pelon)下院少数党院内総務、ミッチ・マコーネル(Mitch McConnel)上院多数党院内総務、チャールズ・エフマー(Charles Schumer)上院少数党院内総務、および、上下院の関係者に宛てた書簡において、同科学者グループは、研究開発投資が、数百万の雇用を創出し、イノベーションを推進し、学術機関が熟練労働者を輩出し、ハイテク技術を進歩させることを可能にし、そして、そのすべてが経済成長に寄与していると述べた。

書簡ではさらにAAASの予算分析を引用して、ドナルド・トランプ大統領の2018年の財政案が、NIH(国立衛生研究所)、NSF(国立科学財団)、EPA(環境保護庁)、NOAA(国立海洋大気庁)、NIST (国立標準技術研究所)、USGS(米国地質調査所)、エネルギー省および農務省の科学技術プログラム予算の2桁の減少により、研究開発事業をまひさせるような歴史的な大幅な資金削減になると述べている。

DOD(国防総省)とNASA(米国航空宇宙局)の科学技術プログラムも、重大とまでは言えないが大幅に削減される。そして、連邦議会議員に対し、「十分な連邦研究開発投資を可能にし、世界のイノベーションリーダーとしての米国の地位を維持する」ために自由裁量支出限度額の見直しを求めている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]