[本文]

国・地域名:
ロシア
元記事の言語:
英語
公開機関:
ロシア大統領府
元記事公開日:
2017/04/25
抄訳記事公開日:
2017/07/13

軍事産業委員会会合におけるプーチン大統領演説

Meeting of the Military-Industrial Commission

本文:

ロシア連邦大統領府の2017年4月25日付標記発表では、ルイビンスク(モスクワから北に約300km)で開催された標記会合におけるプーチン大統領の冒頭演説内容を報じている。演説概要につき主な3点は以下のとおり。

・新型兵器・装備開発の進捗
主として通常戦力および諜報・情報活動支援向けの新型の兵器・装備の開発である。これらの兵器・装備に対する国防省の戦術的・技術的要請の充足状況については国防産業界の代表からの報告を求める。

国家軍備プログラムおよび国防物資調達の実行と併せてもう一つ重要な配慮をする必要がある。ロシアの軍備に対する世界的な関心が高まっている。公式の政治声明のみならず、締結済みおよび締結中の多数の契約を通して言えることである。シリアにおける対テロ作戦などの現実の戦闘状況におけるロシア軍備の効果的な活用の結果から生じていることでもある。グローバルな兵器市場におけるロシアの地位強化となるこの機会を逃すわけにはいかない。

同時に、一定の地上装備の生産に関して軍産複合体は国防省に課せられた仕事でフル稼働状態にある。したがって軍事技術協力の下での注文を納期どおりに満たすことがますます困難になっている。

外国からの注文を断るようなことになれば、有望な相手先を失うことになり、兵器市場からの撤退につながる。そこで通常戦力向け装備の輸出手段の再検討を求める。同時に、政府は国防物資調達命令の時宜を得た実行に向けて、国防省その他の政府機関の間をより明確に調整する必要がある。

・国防産業における輸入代替プログラムの実施
これはロシアの安定的な国防能力と技術的自己充足能力にとって必要不可欠である。この目的で多額の資金が割り当てられており、包括的なプロジェクトが実行されている。

2014年以降ここルイビンスクでは戦艦に使用する船舶用ガスタービン・エンジンを生産するための作業が実施されてきた。これにより独自でこのようなエンジンの生産・サービスを行うことが可能になる。2014年まではこのようなエンジンをウクライナで調達していた。それが不可能になった時点で、輸入代替品に切り替える必要があった。2014年12月から現在までに間に、事実上新領域での研究を実施し、そして新しい製造業が創出された。以前のロシアにはこのような専門能力は存在しなかった。

上記作業は計画より早く完了できた。戦艦の建造スケジュールは2年ほど遅らせる必要があると考えたが、遅れは少し短くなり1年半程度に留まる見込みである。輸入代替によってロシアは新領域の専門能力を獲得しただけでなく、以前輸入していたものよりもさらに進歩した革新的な装置を手に入れた。航空機エンジンの場合でも同様の例があり、すでにサンクトペテルブルグに工場が建設され、現在稼働中である。同工場での作業のおかげで、我々のあらゆるニーズは満たされている。

専門家によると、輸入代替プログラムにより、2025年にはロシアで製造される兵器・装備の85%がロシア製部品で占められる。

・海軍全体の能力強化
2016年末までの海軍における最新型兵器・装備の割合は約47%であった。同じ時期に国防軍全体の最新型兵器・装備の割合はおよそ58.3%であった。

海軍の装備には独特の特殊性がある。製造には長期の工程と生産サイクルを必要とする。また、輸入代替に切り替えざるを得なかった事情から計画変更も求められた。いずれにせよ、引き続き問題解決を図る必要があり、2020年までに陸海軍双方における最新型兵器・装備の割合を70%まで引き上げる必要がある。これに必要なあらゆる条件、あらゆる環境を用意する。

海軍の能力強化の主たる優先課題は、最新の兵器を装備し支援インフラの展開と同期のとれた戦略核戦力の強化である。

2025年までに海軍は近海域・遠海域において平和時および戦時のあらゆる範囲の作戦を実行できる均衡のとれた艦隊を保有する必要がある。これによって世界の海の戦略的に重要な海域におけるロシア海軍のプレゼンスを確保する。

[DW編集局]