[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2017/06/15
抄訳記事公開日:
2017/07/31

米国エネルギー省、スーパーコンピューター技術の加速に向けて2億5,800万ドルの助成金

Department of Energy Awards Six Research Contracts Totaling $258 Million to Accelerate U.S. Supercomputing Technology

本文:

6月15日付け米国エネルギー省(DOE)の標記記事は次のとおりである。(円ドル換算レートは111円/$とする)

米国を代表する6社のテクノロジー企業がエネルギー省エクサスケール・コンピューティング・プロジェクト(ECP)から新しいPathForwardプログラムの一環として研究助成金を受けることとなった。PathForwardプログラムは米国で最初のエクサスケール・スーパーコンピューターの展開に必要な研究を加速するために作られたものである。

この助成金により、6社は将来の大型スーパーコンピューターのエネルギー効率や全体的なパフォーマンスを最大限にするための研究開発が可能となる。これは、米国が安全保障、製造、企業競争、エネルギー・地球科学などの領域で主導権を握るために必須である。3年で2億5,800万ドル(286億3,800万円)が提供され、それに企業が総費用の40%を追加で出資することで、投資の合計額は4億3,000万ドル(477億3,000万円)となる。

PathForthプログラムはECPの共同設計プロセスに不可欠で、幅広く専門知識を集めることにより、4つの主な問題、すなわち並列処理、メモリーとストレージ、信頼性、そしてエネルギー消費を解決することになる。PathForwardによる助成金には、革新的なメモリー・アーキテクチャー、高速相互接続、信頼性が向上したシステム、法外なエネルギーを必要とせずに計算能力を向上させる取り組み、などの開発が含まれる。これから先、民間企業がこの研究開発において重要な役割を果たすことが必須である。

今回エネルギー省から助成金を受け取るのは次の6社:
Advanced Micro Devices (AMD)
Cray Inc. (CRAY)
Hewlett Packard EnteInterprise (HPE)
International Business Machines (IBM)
Intel Corp. (Intel)
NIDIA Corp. (NIDIA)

今回のエネルギー省の助成金はハードウェア技術、ソフトウェア技術、アプリケーション開発の3つの分野の研究開発に使われる。そして、少なくとも1つのエクサスケール計算能力を有したシステムを2021年までに世に出すことが狙いである。

エクサスケール・システムは現在米国で一番強力なコンピューターの50倍の速さで計算すると予想されている。そして、この技術の主導権をめぐって世界的に競争が激化している。米国は世界で最速のコンピューター10台のうち5台を有する。このうち最強のものはオークリッジ・国立研究所のTitanシステムであるが、これは中国の2台のシステムに次ぎ、3番目の速さである。しかしながら、米国はハイ・パーフォーマンス・コンピューティングの国家安全保障、企業、および科学における実際の応用という点で、世界をけん引している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]