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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- Innovate UK
- 元記事公開日:
- 2017/06/19
- 抄訳記事公開日:
- 2017/08/04
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早期の官民投資によるイノベーションの開発スピードの向上
- 本文:
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Innovate UKの2017年6月19日付標記発表の概要は以下のとおり。
英国企業は政府の助成金とプライベートエクイティ(PE)とを合わせた恩恵を受けることができる。スタートアップは外部のファンディングに依拠することが多く、その出資先が公的であったり民間であったり、或いは、その両方からであったりする場合もある。
以下はInnovate UKの支援を受けて、その結果PEも呼び込んで、各々のソリューションの開発・実用化に要する時間を短縮できた企業についてのケース・スタディである。
・女性の健康・福祉の向上
骨盤底訓練器”Elvie”を運用する女性ヘルステック(HealthTech)企業であるChiaro社は、起業段階でInnovate UKの助成金を受けた。Chiaro社はこの助成金を”Elvie”を支えるウェアラブル技術の最新の開発に活用できた。このデバイスは成功をおさめ、発売6か月で会社に利益をもたらしている。この企業はその後ファンディングを何回も経験しており、最近でも480万ポンドの外部による投資を引き込んでいる。これにより、さらに4件の女性の健康福祉に向けたスマート製品の開発や、75か国でのグローバルな展開が可能となった。Chiaro社の資本総額は今や830万ポンドである。
・がんの早期発見
ケンブリッジの企業、Owlstone Medical社は、がんその他疾患の早期診断に役立つ呼気生検(breath biopsy)ツールを開発した。同社はInnovate UKから総額27万7,000ポンドのファンディングを受けている。これによりクローン病や潰瘍性結膜炎の診断テストに関するフィージビリティ・スタディを実施し、呼気分析装置向けの中核技術の開発を進めることができた。同社はベンチャー・キャピタルの投資などにより1,930万ポンドを集めている。これにより、医療分野における同社の認知度の向上を図り、呼気生検に対する認識を高め、プラットフォームの実用化に役立てる。
・迅速で、より個別化された治療
インペリアル・カレッジ・ロンドンのスピンアウト企業であるEntia社は、手で持てる携帯型血液検査キットの作製に必要なイメージ解析技術を開発した。これは血液がんの治療法の検査・管理および多血症や貧血症などの状況の検査・管理に役立つ。キットはハイテク助成金9万9,000ポンドおよび生物医学カタリストを通じた13万9,000ポンドの資金で開発された。これによりEntia社はそのアイデアを完成させ、がん患者の化学療法に対する反応のモニター可能性を試験することができた。Entia社はまた、民間のファンディングとベンチャー・キャピタルの投資を合わせて100万ポンドを確保している。・英国の照明料金の引き下げ
サフォークを拠点とするCambridge Nanotherm社は、Innovate UKの支援の恩恵を受けて、3年間でスタートアップから本格的な製造業に成長した。この会社はファンディング・コンペティションを通じて、LED照明の専門企業であるJuice Technology社と提携して電気デバイスで発生する熱を管理するための新たな電気化学的プロセスのプロトタイプを製作した。ベンチャー・キャピタルからの別途投資とInnovate UKのさらなるファンディングにより、Cambridge Nanotherm社は資金を投じて、さらに多くのプロトタイプを試験をすることが可能となった。こうして市場のフィードバックを得て、最終的には成功裏に生産ラインを稼働させることができた。今日、この企業が販売する技術により、LED照明の稼働時温度が15~20℃下がり、その効率は最大20%向上した。
(上記のほかにも次のような事例が紹介されている)
・新型の低温による動力
・軽量化と低排出技術 [DW編集局]