[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/06/15
抄訳記事公開日:
2017/08/08

数多くの公益を創出したEPAのSTARプログラム

New Report Finds EPA’s Science to Achieve Results Grants Program Provides Numerous Public Benefits

本文:

6月15日付けの全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記記事の概要は以下のとおりである。

米国環境保護庁(EPA)によるScience to Achieve Results(STAR)プログラムが、大気および飲料水の質の改善や子供の健康保護に役立つ環境および人間の健康研究の優先課題に取り組む上で不可欠な役割を果たしたことが、NASEMの新報告書により明らかになった。 EPAは米国の新たな環境および健康の課題に対応するために本プログラムを引き続き運用すべきであると同報告書は勧告している。

1995年に設立されたSTARプログラムは、個々の研究者、分野横断的研究センター、大学院生を支援する研究助成金を提供している。 同報告書では、STAR助成金による研究成果により、公衆衛生が改善されていること、そして、環境試験とモデリング方法を改善できる可能性があり、企業、州、地域の法令遵守コストを削減できる成果もあると報告されている。

EPAの全般的研究能力の必須部分としてSTARプログラムを位置づけるべきと勧告したNASEMによるアカデミーレビューが行われた2003年から2015年までの間に、STARプログラムは541人の研究者と53のセンターに助成金を授与した。これらの助成金は、地方、州、および連邦政府の規制や意思決定支援の文書で引用されるなどの重要な研究成果を生んでいる。これらは、米国公衆衛生協会(American Public Health Association)のような組織のガイダンス文書にも含まれている。 STARプログラムは800名にフェローシップを授与したが、近年、連邦政府の科学技術、工学、数学(STEM)プログラムと活動が統合され、STARフェローシップの資金はNSF(国立科学財団)に移管されている。

本報告書では、STARプログラムは多くの公益を生み出しているものの、EPAが一貫してそれを追跡して成果を取りまとめていないと指摘している。このため、助成金、フェローシップ、そして公益の間のリンクを容易に検出するための堅牢なデータベースの構築を推奨している。また、STARプログラムは、研究成果の公共への影響について適切に一般市民に通知されるように、他の連邦政府機関と協力すべきであるとし、さらに、STARプログラムの対象課題や募集外の提案の提出を可能にする仕組みの開発を検討すべきであると報告書は勧告している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]