[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2017/06/21
抄訳記事公開日:
2017/08/10

米国技術会議と技術産業界の指導者によるサミットが開催された

The American Technology Council Summit to Modernize Government Services

本文:

2017年6月21日付のホワイトハウスによる報道発表の概要は、以下のとおりである。

今週、ホワイトハウス米国イノベーション室(White House Office of American Innovation(OAI))(訳注1)は、米国技術会議(American Technology Council(ATC))(訳注2)と技術産業界の指導者たちが参加するサミットを開催し、政府サービスの最新化について議論した。このサミットに招かれたのは、18人の大手技術企業CEO、3人の大学学長およびその他の著名な技術系経営幹部たちであった。

サミットは、米国の最大の課題を解決する上での民間部門の役割を強調するクシュナー大統領上級顧問(Senior Advisor to the President)のスピーチから始まった。さらに、OAIのクリス・リデル(訳注3)も発言し、より効率的で効果的、かつ、説明責任を果たす政府を構築する際に技術が果たすユニークな役割を強調した。

午後、参加者は作業分科会に別れ、クラウドインフラストラクチャの構築、旧式情報システムの廃止、シェアードサービスの一層の活用、調達手続きの改革等について議論した。特に注目されたテーマの一つは、「ビッグデータ」を活用してサービスを改善し、不正行為を減らし、民間部門による市場活動を育成する方策であった。

作業分科会での討議の後半では、民間部門と政府部門の間の連携強化策や連邦政府職員の採用、再訓練、定着のための戦略についても議論された。中でもパートナーシップに関する分科会では、一流技術企業のCEOたちと一流大学の指導者たちがより革新的で現代的なシステムを米国民に提供するためにいかにして産学官のネットワークを形成するかについて議論した。

作業分科会終了後、トランプ大統領の主導により「連邦政府の技術を全面的に変革する」という大統領の優先政策に関する円卓会議が開催された。この会議で大統領は、航空管制の現代化や退役軍人省(Department of Veterans Affairs)と国防総省(Department of Defense)の間の電子的医療記録の標準化等に関する政権の取り組みについて説明した。また、大統領は、米国の公共部門と民間部門の間の技術ギャップを指摘し、そのギャップを解消することに対する政権のコミットメントを改めて確認した。

(訳注1)「ホワイトハウス米国イノベーション室」(OAI)は、2017年3月27日付大統領覚書により設置されたホワイトハウス内の組織である。OAIの任務は、政府の運営とサービスの改善、米国市民の生活の質の向上および雇用の創出をもたらす政策と計画を大統領に勧告することである。クシュナー大統領上級顧問がOAIを率いることとされている。OAIのメンバーの中にはクシュナー大統領上級顧問の他にもクリス・リデル戦略問題担当大統領補佐官等のホワイトハウス高官が含まれている。

(訳注2)「米国技術会議」(ATC)は、2017年4月28日付大統領令によって設置された会議であり、大統領、副大統領、国防長官、商務長官、国土安全保障長官等の他、クシュナー大統領上席顧問やクリス・リデル戦略問題担当大統領補佐官を含むホワイトハウス高官たちから構成される。議長は大統領が務めることとされている。また、大統領の下でATCの運営に当たる責任者としては、クリス・リデル大統領補佐官が任命されている。
ATCの目的は、米国政府の業務に使用される情報技術の安全性、効率および経済性の向上を図り、米国市民に対してより良いデジタルサービスを提供するという米国政府の政策を実現することである。

(訳注3)クリス・リデルは、2017年1月、トランプ大統領によって戦略問題担当大統領補佐官(Assistant to the President for Strategic Initiative)に任命された。それまでの経歴としては、マイクロソフト社の上級副社長(兼)最高財務責任者(CFO)やゼネラルモーターズ社(GM社)の財務分野の責任者を務めたことがある。また、3月に設置されたOAIのメンバーの一人でもあり、また、4月に設置されたATCの運営責任者でもある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]