[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2017/06/20
抄訳記事公開日:
2017/08/15

EUイノベーション:一部に改善が見られるものの、より均等な発展が必要

EU innovation: some improvements but more even progress is needed

本文:

2017年6月20日付欧州委員会の標記報道発表の概要は以下のとおりである。

●昨年度のEUのイノベーション実績は引き続き向上したものの、欧州全体でみるといくらか不均等な部分が見られる

これは欧州委員会が最近発表した「イノベーション・スコアボード」による主要指摘事項の1つである。全般的にはイノベーション実績は15か国で向上しているが、これら加盟国間でも大きな格差が存在する。スウェーデンは依然としてイノベーションのトップにいるが、リトアニア、マルタ、オランダ、オーストリア、英国ではイノベーション成長の速度が最も速い。世界的に見るとEUはカナダ、米国と並ぶが、韓国や日本にはリードされている。中国は国際的な競合相手の中では最も速い伸びを示している。

●2017年のEU「イノベーション・スコアボード」には次のような「地域別イノベーション・スコアボード」も記載されている

・EUイノベーションのトップはスウェーデンで、デンマーク、フィンランド、オランダ、英国、ドイツがこれに続く。
・イノベーションの領域別にみると、それぞれのEUリーダーはデンマーク(人的資源・イノベーションを受け入れ易い環境)、ルクセンブルグ(魅力的な研究制度・知的財産)、フィンランド(ファンディング・支援)、ドイツ(企業による投資)、アイルランド(中小企業のイノベーション・雇用効果)、ベルギー(イノベーション連携・協力)、英国(売上効果)である。
・中程度のイノベーション国においても地域イノベーション・ハブが存在する。チェコ共和国のプラハ、スロバキアのブラチスラバ、スペインのバスク地方などである。
・イノベーション実績の向上が最も顕著なのは、国際共同発表、ブロードバンドの普及、大学学士号・博士号取得者数、ICT教育の領域である。
・ベンチャーキャピタル投資およびイノベーションを導入する中小企業の割合はかなり後退している。
・今後2年間にイノベーション実績は2%伸びると期待される。

[DW編集局]