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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2017/08/01
- 抄訳記事公開日:
- 2017/09/01
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議会休会に伴い科学関連予算の審議が中断
Science Funding Holds as Congress Begins Recess: Where Are We and What's Left To Do?
- 本文:
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8月1日付けの米国科学振興協会(AAAS)による標記記事の概要は以下のとおりである。
連邦議会での科学技術関連予算の審議は、6月、7月で急速に進展したが、8月に入り上下院共に休会となり、審議が中断する。ここまでの審議状況を総括してみる。
トランプ政権は、その科学技術関連の連邦予算の歴史的な削減要請を連邦議会がほとんど無視するのを見て来た。非常に大雑把なAAASの推計では、現在、下院で審議中の予算は、連邦の研究開発予算が2017年度のオムニバス推定値よりも4.8%(76億ドル)増加し、基礎・応用研究費はそれぞれインフレ率を若干上回り2.5%上昇している。また開発費は、国防総省の開発活動の大幅な増強のおかげでさらに増えている。
下院予算委員会は12の年次支出法案を委員会に提出しており、上院予算委員会はすべての法案の提出が終わっていないが、それでも下院の法案数を上回っている。なお、上院で未提出の法案には、国立衛生研究所(NIH)と国防総省(DOD)の予算法案が含まれている。
現時点で、2018年度の科学技術関連機関の予算は機関により増減の程度が異なっている。下院予算委員会で、予算の増加が見込まれる機関は、幾つかの大手機関(NIH、米国航空宇宙局(NASA)、国家核安全保障局(NNSA)であり、それ以外の機関の予算は昨年比同等か減少している。上院の委員会も同様で、エネルギー省(DOE)の省庁のほんの一握りが増加を獲得しており、NNSA、国立科学財団(NSF)、エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)に予算増加が見られる。退役軍人医療研究(Veterans medical research)は両院で予算増加を得ている数少ない分野である。
この予算制限の根底にあるのは、2011年の予算管理法成立以来行われている裁量的支出の上限設定である。軍事と非軍事の両方を含む裁量的支出は、2018年度には半分程度低下し、厳しい予算を組まざるを得ない。
今後、連邦議会は8月の休会と会計年度の終わりまでのわずかな期間に、トランプ大統領が署名することを願って予算関連法案の継続的な審議を行う。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]