[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2017/07/27
抄訳記事公開日:
2017/09/08

連邦政府とフラウンホーファー協会がIndustrie 4.0の国際化を推進

Bundesregierung und Fraunhofer treiben Internationalisierung von Industrie 4.0 weiter voran

本文:

連邦教育研究省(BMBF)はIndustrial Data Spaceの第二フェーズ開始に当たり概略下記のような報道発表を行った。

• ドイツからデジタル経済に関する有力なスタンダードが生まれようとしている。Industrial Data Spaceという、安全かつ標準化されたデータ交換のためのバーチャル・データスペースである。
• キーとなるのはデータ主権で、参加者はそのデータをだれが受け取るのか、それが何のために利用されるのかを決定、操作、コントロールする。
• BMBFによる500万ユーロの助成をもってイニシアチブは第二フェーズへ入る。目標は、このアーキテクチャーを国際的に広めることである。

データは企業にとってますます重要となり、ビジネスの成功のための戦略的資産となっている。データの価値が増せば増すほどその保護およびコントロールへの需要は高くなる。一方、データをベースとした複雑化するサービスそして新しいデジタルサービスのビジネスモデルがデータ・シェアリングを必要とするという、ジレンマが生ずる。フラウンホーファー応用研究促進協会(FhG)12研究所は既に2年前からIndustrial Data Spaceと取り組んでいる。第一段階の目標はこのほど達成された。最新のIT技術を利用し安全なデータスペース・アーキテクチャーが生まれ、領域横断的なUse Casesが既に実行されている。BMBFの助成による競争前研究プロジェクトは500万ユーロの助成により第二フェーズへと移行する。

ノイゲバウアーFhG会長によれば「ドイツはイノベーション大国としてのポジションを確保しなければならない。ここで今ドイツは欧州に限らず世界で受入れられる、産業のデジタル化に関する重要な標準を決める本当のチャンスを有している。「データ主権」は企業の成功にとって決定的要因となる。同イニシアチブはそのための理想的な前提を生み出すものである」。

ヴァンカ大臣は「ドイツおよび欧州の企業は、そのデータがIndustrial Data Spaceのコンセプトによって安全に保たれていることに安心することができる。これを国際的標準にすることができれば、ドイツ産業界にとっても強みとなる」と強調。

次の助成フェーズの目標は、「Industrial Data Space」を国際的なアーキテクチャーのアプローチ、すなわちアメリカが進めるIndustrial Internet Consortiumや日本のIndustrial-Value-Chain-Initiativeと歩調を合わせることである。データはグローバルにネットワーク化された産業において国境で留まっていることはなく、企業は整合性のある解決策を必要とする。

Industrial Data Spaceイニシアチブの研究リーダーで、フラウンホーファーソフトウエア・システム技術研究所(ISST)所長のオット教授によれば、「Industrial Data Spaceはドイツが議長国を務めたG20の数多くのワークショップおよび会談には大きな関心が寄せられた。メード・イン・ジャーマニーの「データ主権」が良好な歩みを見せている。アルゼンチン、中国、インド、日本、メキシコそしてアメリカなどの機関とはIndustrial Data Spaceを国際的に定着させるために協議を進めている」と説明。

多様な国際的なデジタル標準と連携できるように、プロジェクト・チームは「データ主権」に関する技術的な解決策を開発している。ユーザー団体、Industrial Data Space Associationとの密接な協力の中でFhGの研究者は研究成果を直接協力企業Use Casesとして応用していくことになる。

Industrial Data Spaceイニシアチブに関して
2014年末FhGのイニシアチブによって、経済界および政界との協力でうまれた。目標は、Industrial Data Spaceアーキテクチャーモデルの確立とその国際レベルでの利用。イニチアチブは研究プロジェクトおよびユーザー団体を包括する。FhGの研究プロジェクトはIndustrial Data Space設立のための競争前準備としてBMBFによって助成される。これを補完する形で2016年に、ユーザーの関心を結束させ、研究成果の標準化を振興するためIndustrial Data Sapce Associationが設立された。同協会は今や13か国74会員企業により国際的にも大きく成長している。ボッシュ、ドイツテレコム、シーメンス、フォルクスワーゲンの他に中国企業、オランダのTNOなども名前を連ねている。Industrial-Data-Space-Initiativeの活動はIndustrie 4.0プラットフォームの活動と密に調整しながら行っている。

[DW編集局]