[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会 システム・イノベーション研究所(ISI)
元記事公開日:
2017/07/31
抄訳記事公開日:
2017/09/13

電気自動車:ドイツにとってのチャンス

Ektromobilität: Chancen für den Wirtschaftsstandort Deutschland

本文:

フランスおよびイギリスの従来型の乗用車(ガソリン車/ディーゼル車)禁止の発表に関し、ミュンヘンのifo研究所が調査を発表。これに関してフラウンホーファー協会システム・イノベーション研究所(ISI)が概略下記のような報道発表を行った。

ドイツにおける内燃機関の将来に関する議論とフランスおよびイギリスにおける従来型乗用車禁止の告示を背景にISIは電気自動車への切り替えが国民経済にもたらす影響について分析を行う。ミュンヘンのifo研究所の調査では、内燃機関を搭載した自動車の禁止により予想される国民経済へのマイナスの結果を取り上げているが、ISIの専門家たちは従来の乗用車から電気自動車への転換は、産業拠点としてのドイツが雇用と経済付加価値の面でプラスの効果を得るチャンスであり、その可能性があると見出している。このためには変化を積極的に起こしていかなければならない。

新たな調査のベースとなっているのは、電気自動車におけるドイツ自動車産業の現在と将来の競争的力分析ならびにこのテーマに関するドイツおよび国際的な評価である。

学際的な研究チームは次のような結果に達した:
ドイツ自動車メーカーは電気自動車の販売においても従来の自動車と同様の市場占有率を保持すると判断する。ISIのエネルギー経済部門リーダー兼エネルギー技術・エネルギーシステムコンピータンスセンター副所長のヴィーチェル(Martin Wietschel)教授によれば、「ドイツメーカーの市場での位置付けが変わらないのであれば、電気自動車への転換は従来の自動車製造と同様の雇用および付加価値へのプラス効果を約束してくれる」。

電気自動車への転換は構造的変化を伴うもので、自動車のサプライチェーンの中での変化、雇用での変化にもつながる。この点で重要なのは、職業教育における習熟度や再教育の内容ならびに新しい訓練内容を提供することで、変化に応じて将来の人材を準備することである。電気自動車への転換は他の領域においても活発に行うべきであり、電池生産の弱点をなくして、産業構造の転換を積極的に進めるなど、新たなビジネスモデルの開発を促進することも重要である。

これまでのところ国民経済的な効果に関する包括的な調査は少ない、即ち従業員への影響、販売、整備といったの領域を考慮した調査が少ないため、ISIのチームはこのテーマ全体に関する研究の必要性を認識している。

[DW編集局]