[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)
元記事公開日:
2017/07/03
抄訳記事公開日:
2017/09/20

キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)選挙公約

Für ein Deutschland, in dem wir gut und gerne leben. Regierungsprogramm 2017 – 2021

本文:

7月3日キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が選挙公約を発表。研究開発に関する公約の概要は以下のとおりである。

研究とイノベーションは成長と繁栄の基盤である。そのためドイツは優秀で責任感のある人材を必要としている。ドイツは基礎研究、応用研究そして新技術へ常に十分な投資をすることで、国際競争においてドイツのリーディング・ポジションを堅持していくことができる。

今日の研究開発への投資は、今日および明日の人々の雇用、繁栄、豊かな生活を意味する。そのため我々の政権では研究開発支出を著しく増額した。この領域への国および民間企業からの投資は今やGDPの3%に達している。
・2025年までに研究開発支出をGDPの3.5%に引き上げる。これは記録的数値であり、ドイツがこの領域で更にリードしていくことを示唆するものでもある。
・20億ユーロの税額控除による研究助成措置を導入する。特に中小企業を効果的に支援するため現行のプロジェクト助成か、もしくは税制による研究助成措置を選択できる選択権を導入する。
・この措置は世界中のトップ研究者にとって拠点としてのドイツの魅力を更に向上させるものであり、新たな、将来性のある雇用への投資をもたらすものとなる。
・AIの研究・応用分野は著しく重要性を増している。高性能・超高性能コンピュータ、大量データの処理、量子技術、ロボティクスも同様である。これらの領域は将来の政府活動の重要なポイントである。
・「デジタル・アジェンダ」に加え、「バイオテクノロジー・アジェンダ」を作成し、これによってドイツがこの高度にイノベーション的な研究分野においてもチャンスを得るようにする。
・癌、認知症、感染症の研究においてドイツが世界のベストスリーに入るようにする。その他の国民病の治療および児童・青年医療に関する研究を拡充していく。
ドイツは傑出した基礎研究と企業の強力な研究開発部門を有している。イノベーション・プロセスの支援を強化し、飛躍的イノベーションを促進していく。

SPD選挙公約(原文P28以降)

強い経済とイノベーションの時を迎え
ドイツは経済力ある企業と世界市場のリーダーを輩出する確信的な中規模企業(Mittelstand)を有している。近代的な手工業企業および小売商そして新しい、創造的なスタートアップの増加。過去のあらゆる危機にもかかわらず、ドイツの社会市場経済はサクセスモデルであることが証明されている。

我々にとって強い経済とは常に、全ての人々が公正に成果に与れることをも意味している。公正とは経済的なイノベーションおよび進歩の欠くべからざる前提である。これに対し、収入および財産における不均等の増加は我々の未来のチャンスを損なうものである。このことは数多くのスタディが証明しており、OECD更には世界経済フォーラムによっても証明されている。

成長、堅実な予算、社会的公正、自然な生活基盤の維持は政治目標の四つの柱である。SPDはドイツにおいて新たな投資攻勢をスタートさせる。企業を勇気づけ、再び投資の増額を支援していく。雇用と経済的な進歩を確保するため研究と開発により多くの資金を用意していく。科学および研究の新知識は技術的、経済的、社会的な改革を展開するためのチャンスをもたらす。公的な助成はこのために大きく寄与するものである。

ドイツの市民および企業はデジタル化および世界的なネットワーク化の可能性を利用できなければならない。我々はドイツのどこでも迅速なインターネットが可能な高速光ファイバー接続への投資を行う。

Industrie 4.0は第4の産業革命である。どの時代の産業革命も社会民主主義および労働組合によって社会に受け入れられる形で形成された。労働組合、企業、社会のさまざまな団体等と共に、Industrie 4.0が成功モデルとなるよう活動していく。このためには、中小企業および手工業をその広がり全体でデジタル化に取り込まなければならない。産業、中小企業、手工業そしてスタートアップスをネットワーク化することはIndustrie 4.0の成功を決定づける一因となる。

中小企業向けに「研究奨励金」を設け、研究開発要員を雇うことを財政的に支援していきたい。正に中小企業こそ、成長のチャンスを利用できるようこうした助成措置を必要としている。

研究と開発:
助成によって研究のネットワーク化、学際的な交流および協力をより強く支援していく。研究の自由は長期的に、イノベーションの最重要前提条件である。

ドイツにおける研究全体の多様性は拠点の利点として重要である。総合大学、応用科学専門大学、大学、研究企業、大学外研究機関等が傑出した活動を行っている。

研究には確実な資金負担が必要である。2025年までに我々はGDPの3.5%を研究開発に投入したい。大学および研究機関に関する新たな、長期的財政アーキテクチャーの枠組みの中でイノベーションを進めていく。研究・イノベーション・パクトが成功し、これをこのアーキテクチャーの重要かつ確実な柱として更に展開させ、大学および大学外研究機関の協力を強化していく。

連邦政府が大学の研究機関を直接助成できるよう、追加的な措置を創設したい。また専門大学への研究助成を倍増する。

大学および研究機関の飛躍的に増大するデータ量および計算処理能力への需要を満たすために高性能コンピュータに関する国家レベルの戦略が必要である。

大きな付加価値と新たな雇用、日常生活の向上とを結びつける技術、保健ビジネス、バイオ・ナノテクノロジー、環境・気候保護技術、材料研究或いはロボティクスを振興する。経済拠点およびイノベーション拠点としてのドイツに重要な役割を果たすのが航空宇宙飛行の分野および欧州での協力である。

科学的知識の製品開発およびサービス開発への転換を促進させ、労働条件改善に利用していく。このため技術移転の助成、研究と応用の接点におけるバリデーション研究、労働研究等々を充実させる。

市民の新技術に対する受容度を高めたい。透明性の確保、情報の共有、市民の参加によって科学技術に対する恐れを除去し、不安を防止する。

[DW編集局]