[本文]

国名:
フランス
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2017/08/30
抄訳記事公開日:
2017/10/11
元記事の言語:
フランス語

発電:酵素が白金に対抗する時代

Production d'électricité : quand des enzymes rivalisent avec le platine

本文:

2017年8月30日付国立科学研究センター(CNRS)の標記報道発表の概要は以下のとおり。

白金触媒の燃料電池と同等の効果を発揮するバイオ燃料電池。バイオエネルギー・蛋白質工学研究室(CNRS/エックス・マルセイユ大学)の研究者らが、ポール・パスカル研究センター(CNRS/ボルドー大学)及び工業熱システム大学(CNRS/エックス・マルセイユ大学)との共同研究により達成した偉業である。バイオ燃料電池の最初のプロトタイプから3年後に、研究者らは性能と安定性の向上に向けた新たな段階に踏み出したところである。このバイオ燃料電池はいずれは白金のような高価なレアメタルを必要とする燃料電池に取って代わる可能性がある。この業績は2017年8月17日付の”Energy & Environmental Science”誌に発表されている。

数年前からバイオエネルギー・蛋白質工学研究室(CNRS/エックス・マルセイユ大学)の研究者らは、次世代のバイオ燃料電池の開発に取り組んでいる。化学触媒(白金)を細菌酵素に置き換えたもので、陽極に(多数の微生物において水素の変換に重要な役割を果たす)ヒドロゲナーゼを、陰極にはビリルビンオキシダーゼを充てる。研究者らは、酸素の存在下で活性化し、白金の場合の一酸化炭素のような一部の触媒抑制効果にも耐えうるヒドロゲナーゼを特定している。また、ポール・パスカル研究センター(CNRS/ボルドー大学)と協力して、生物多様性を詳細に調べることで、25~80℃の温度に耐える熱的安定性のある酵素を特定している。

一方、このような研究室での生物学的プロセスを工業的な展開にもっていく場合の大きな課題として2つ取り上げている。2014年の最初のプロトタイプには限界があったが、それらは発電能力が小さいことと、酵素の安定性に限界があることであった。したがって酵素の活性を維持しつつ不測の抑制作用から守れるように、規模の変更が必要であった。大きな課題の3つ目はコスト削減で、中でも使用される酵素の量を最小にすることである。

炭素系アーキテクチャ内部に熱的に安定な2つの酵素を徐々に組み込むことで、研究者らは上記3つの課題に対する解決策を生み出した。

[DW編集局+JSTパリ事務所]