[本文]
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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国家科学審議会(NSB)
- 元記事公開日:
- 2017/08/30
- 抄訳記事公開日:
- 2017/10/16
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NSFの2016年度メリットレビュー報告書の公表
- 本文:
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8月30日付けの国家科学審議会(NSB)による標記記事の概要は以下のとおりである。
毎年、約5万件の研究提案が、科学技術の全ての分野の探索型研究(discovery research)にファンデングを行う米国唯一の連邦機関である国立科学財団(NSF)に提出される。NSFは、メリットレビューを用いて、科学の進歩を促進し国益に貢献するというNSFの使命に資する可能性が最も高い提案を選ぶ。
NSBは、NSFのメリットレビューの基準を設定し、レビューの実践の透明性を確保し、かつNSFの目標と合致することを保証する。なお、NSFは、プロポーザルを評価するにあたり、2つのメリットレビューの評価基準を定めている。すなわち、学術上のメリットとより広範なインパクトである。
同日NSBが公表したNSFのメリットレビュープロセスに関する2016年度報告書のポイントは、以下のとおりである。
・2016年度にNSFにより競争的審査を受けた4万9,000件のプロポーザルのうち、4万1,000件が研究に関するプロポーザルであった。NSFは2016年度に8,000件近くの研究アウォードを提供し、その対象の多くは学術機関であった。これは、21%の採択率に相当する。・NSFは総額290億ドルを請求する約4万9,000件のプロポーザルを受け取った。一方、NSFが配分できる金額は60億ドルであったため、5段階評価で4または5を受けたにも拘わらず、約40億ドル相当の採択可能なレベルのプロポーザルを、資金制約上の理由から非採択とせざるを得なかった。
・まだ比率は低いものの、一定の資金が黒人系の大学、ヒスパニック系の研究機関、伝統的部族の大学等に配分された。これらの機関への配分率は、2010年度が2.4%であったのに対し、2016年度は7.3%となった。
・プロポーザルを提出する女性の筆頭研究者(PI)の割合は依然低く、女性によるプロポーザルは4件中1件という状況であった。これは、全米大学協会に所属する研究大学の理工系教員の比率の見積もり値と近似する。
・プロポーザルの半数は単独の研究者によるもので、残りの半数は複数の研究者による共同研究プロジェクトであった。
・2015年度は、3万4,000名以上の科学者、エンジニア、教育者が、NSFのためにプロポーザルの審査に取り組んだ。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]