[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2017/09/28
抄訳記事公開日:
2017/10/31

イノベーション指標に関する取り組み

Wie misst man Fortschritt?

本文:

研究とイノベーションシステムを的確に測る新しい指標に関するプロジェクトがスタートする。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

イノベーションを正しく測るにはどうすればいいか。社会的イノベーションはどのような方法で把握することができるのか。デジタル化および現代の大量のデータはどのような役割を果たすのか。中小企業にとってのイノベーションとはどう理解できるか。こうした問題に対して、研究者たちは今後3年間にわたり7つの合同プロジェクトと個別プロジェクトをBMBFの助成により実施する。

ミュラーBMBF政務次官は「イノベーションの実績を計測する手段は、旧来の技術的進歩から社会的イノベーションのような新しい形態に変わりつつある。イノベーション概念の変化やデジタル化と歩調を合わせていかなければならない。助成対象に選ばれたプロジェクトは、ドイツの研究およびイノベーションシステムを把握するための指標や技術を発展させ、改善していくものである」と語り、「研究の成果はより強力な証拠に基づく政策を可能にする」と続けた。BMBFは毎年100万ユーロをこれらのプロジェクトに投入する。

プロジェクトは2017年10月から2018年1月の間にスタートする予定である。

・欧州経済研究センターとギーセン大学は現在のイノベーション傾向を明らかにする指標を開発する。
・ゲッティンゲン大学は研究開発に依らないイノベーションを精密に計測するための手法を開発する合同プロジェクトを統括する。研究者は中小企業がイノベーション実績を低く評価しているのではと疑っている。研究者は、企業が独自の研究部門がなくとも生産から直接イノベーションの成果をあげることができるかを新たな計測手段により把握できるかをテストする。
・アーヘン工科大学は学際的なチームによって新規のイノベーションのイノベーションレベルに関する計測可能性と取り組む。
・ドイツ研究財団連盟におかれている科学統計協会はドイツのイノベーションシステムにおけるネットワーク構造およびそのダイナミズムを把握する合同プロジェクトを統括する。
・ブレーメン大学がリーダーを務める合同チームは、技術空間をより効果的に把握し、トレンドを予測するための新しい指標を開発する。
・ゲルゼンキルヒェン大学は社会的イノベーションの計測を可能にするための合同プロジェクトのリーダーを務める。
・欧州経済研究センター(ZEW)は個別プロジェクトで企業のコンピーテンスを把握するための方法を開発する。

以上のプロジェクトの選考に当たったのは、カールスルーエ工科大学(KIT)オットー教授を中心としたメンバーによる中立の専門審査委員会である。

[DW編集局]