[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2017/08/30
抄訳記事公開日:
2017/11/01

ライフサイエンスにおける英国の主導的地位の確立に向けた産業界の提言

Sir John Bell to unveil industry-led proposals to build UK’s status as world leader in life sciences

本文:

ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の2017年8月30日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

英国のライフサイエンス・セクターを国際的な成功基準とするための産業界提言が、バーミンガム大学で行われたジョン・ベル(Sir John Bell)教授の講演で明らかにされた。グレッグ・クラーク(Greg Clark)BEIS大臣らも出席して行われた同講演でベル教授は、640億ポンド規模のライフサイエンス・セクター全体にわたって、大小の企業を振興するための、政府と業界との協働の在り方に関する産業界のビジョンを概説している。

2017年1月に発表された政府の産業戦略グリーン・ペーパーでは、ライフサイエンスは英国の5大セクターの一つとされている。産業界主導のライフサイエンス産業戦略は、ベル教授によるこの産業の長期的な未来についての分野横断的で包括的な検討結果を踏まえたもので、広範囲にわたる関係者からのインプットと提言を取りまとめたものである。

ライフサイエンス・セクターから政府に対する報告としてのライフサイエンス産業戦略は、次の5つの主要テーマの下に構成されている。
・科学
英国の国際競争力に見合う基礎科学に対するファンディングの維持・増強により、また英国の臨床試験能力のさらなる向上により、英国科学の提案能力を強化する。
・成長
成長を支える税環境を通じて、また将来の高価値ライフサイエンス製品の製造・輸出に対する大規模な投資を誘い込むことで、国全体の成長やインフラの向上を図る。
・国民保健サービス(NHS)
NHSによる協力体制を促進する。
・データ
300~500万人の住民からなる地域全体に亘ってデータを提供する2~5か所の地域イノベーション・ハブを確立することで、データやその他の証拠の有効活用を図る。
・技能
NHS、民間セクター、第三セクター全体で技能強化行動計画を実行することで、将来のライフサイエンスの成功を支える人材・技能の確保を図る。

ライフサイエンス産業戦略ではまた、医療先進研究プログラム(HARP)の設置も提言している。このプログラムを通して、産業界、慈善団体、NHSは、英国に基盤を置く野心的で長期的なプロジェクトで協力することで、医療を変革し今後20年の医学的動向を活用することができる。

ライフサイエンス産業戦略を歓迎して、ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)保健大臣は、国立保健研究所(NIHR)を通じた患者に対する新技術の開発・導入におけるNHSと産業界間の協力を推進するべく、11の医療技術研究センターに対する支援に1,400万ポンドのファンディングを発表した。

ライフサイエンス産業戦略の開始時点においてBEIS大臣は、このセクターに対する政府の取り組みとして、産業戦略を通したライフサイエンスへの第1段階の政府投資を発表する予定である。最先端の医療に1億4,600万ポンドを投じるもので、これにより産業界からの民間ファンディング2億5,000万ポンド強が見込まれる。

この投資は政府の産業戦略チャレンジ基金の一部をなすもので、4年間に亘り、先進治療法、先進医薬、ワクチンの開発・製造を支える5大プロジェクトを投資対象とする。

[DW編集局]