9月19日付けのエネルギー省（DOE）による標記記事の概要は以下のとおりである。

エネルギー省（DOE）のリック・ペリー長官は、米国産業界による極限環境下で使用する新しい材料や改良された材料の開発を加速するための新しい高性能コンピューティング（HPC）イニシアチブを発表した。

材料のための高性能コンピューティング（HPC4Mtls）イニシアチブは、超高圧、放射線、温度、腐食、化学環境、振動、疲労、ストレス状態などの極限条件に耐えることができる新しい材料や改良された材料を開発する際に、産業界が直面する課題に焦点を当てる。また、改良された軽量材料技術の開発にも注力していく。このプログラムは、極限環境下での材料のコスト、開発時間、性能を大幅に改良し、数百万ドルの燃料とセクター間のメンテナンスを節約することを目指している。これらの材料の進歩は、世界市場での米国の競争力を高めるものである。

HPC4Mtlsを通じて、産業界は材料に関する共通の問題を解決し、新しい、または改良された材料や構造を発見し、研究所の世界レベルの計算資源と能力を活用して製品やプロセスを強化することができる。これらには、次の機能が含まれる。
・世界で最も高速な10台のコンピュータのうちの5台を含むHPCシステムへのアクセス
・製品やプロセスを強化する高精度シミュレーション
・特定の過酷な環境における物質的挙動の予測
・より現実的なシミュレーションを可能にするためのまだモデルに組み込まれていない物理現象のモデリング
・物理現象間の相互作用を捉えるためのより複雑なモデルの開発
・計算流体力学、熱力学、動力学、材料モデリング、および積層造形の専門知識へのアクセス

企業は、2段階の公募プロセスを通してイニシアチブへの参加の採択をされる。なお、プロジェクト費用の少なくとも20％を拠出する必要がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]