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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2017/10/24
- 抄訳記事公開日:
- 2017/11/30
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高校生がスマートカー、未来トイレ、最新鋭救急車向けチップを開発
Schüler entwickeln Mikrochips für intelligente Fahrzeuge, das Zukunfts-WC und moderne Rettungswagen
- 本文:
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高校生を対象とするコンペInvent a Chipの表彰式が行われ、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
自動車ドアが一緒に考え、事故を防止してくれる。未来のトイレはもっとプライバシーが守られ、衛生面でも改善される。救急車では搬送中に、より堅牢な患者用ベッドが重症者を保護してくれる。毎年開催される高校生を対象とするコンペInvent a Chipでは、常に未来を視野に、生徒たちがアイデアを創造的に実用化している。BMBFとドイツ電気技術者連合(VDE)は16回目となる、全国3,000校が参加する世界に類を見ないコンペティションを開催した。ミュンヘンでのVDE/BMBFマイクロシステム工学会議で産業界、政界、アカデミアの代表者を前にして受賞者が表彰された。
第一位の受賞者はPhilipp Grube(18)、賞金3,000ユーロを獲得した。公共トイレのデジタル・ドアコントロールで出入りを自動化、ドアはノブに接触せずに開き、手洗い台もセンサーでコントロールされる。
第二位は賞金2,000ユーロで、3名からなる合同チームが受賞した。彼らが開発したチップは、救急車での迅速かつ安全な患者移送を行う革新的な患者用担架に用いられている。制動時、勾配やカーブ走行時に水平な加速が患者に影響しないよう担架が適切に傾斜し、移送中に患者が滑り落ちることがないように担架のモデルを開発。
第三位は賞金1,000ユーロで、こちらも研究チームが受賞した。賞の対象となったのは、障害物および危険を認識するスマートな自動車ドア。
ヴァンカBMBF大臣は受賞者に祝意を述べ、「受賞者の創造的な開発に感銘を受けた。その日常での実用性は特に素晴らしい。若者たちは良いアイデアを持っており、デジタル技術を深く理解することにより、アイデアを現実のものとできる」と語った。8学年から13学年(日本の中学2年から高校3年に相当)の生徒2,150人がコンペに参加し、その内3分の1は女生徒であった。VDEのHinz会長は「我々はデジタル変革の中にあって、かつてないほど多くの電子・情報工学の専門人材を必要としている。それだけに既に学校レベルで生徒一人ひとりが新しい技術によって独自の経験ができることを歓迎するものであり、そうした生徒はデジタル化を推進する、未来の専門家である」と語った。
チップ開発は専門家にとっても複雑な課題であり、特に高校生たちとっては言わずもがなである。そこで今回の受賞者は、5月に予備選考の10チームと共に、ハノバー大学での数日間の実践ワークショップに参加し、論理的な基礎およびハードウエアに関する用語等を学習した。
受賞者には賞金のほかに、ドイツ国民学習財団(Studienstiftung des deutschen Volkes)の奨学金選考会の対象となることをはじめ、産業界および大学へのコンタクト、見本市でのプロジェクト・プレゼンテーション等の機会が与えられる。尚、Invent a Chipコンペは、Bosch, Cologne Chip, Globalfoudries, Infineon Siemens 等数多くのスポンサーの支援を受けている。 [DW編集局]