[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州研究会議(ERC)
元記事公開日:
2017/09/11
抄訳記事公開日:
2017/12/01

ERCによるフロンティア研究の影響力に関する調査報告書

ERC FRONTIER RESEARCH LEAVES ITS MARK: 73% BREAKTHROUGHS OR MAJOR ADVANCES

本文:

欧州研究会議(ERC)の2017年9月11日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州研究会議(ERC)は2017年9月11日、ERCプロジェクトを対象とした成果報告書を発表した。報告書は、ERCが支援するブルースカイリサーチは引き続き科学的成果の創出に影響を及ぼしていることを明らかにし、またERCがハイリスク/ハイリターン型のプロジェクトや学際的なフロンティア研究に資金提供するという目標を達成しつつあることを示している。

昨年ERC科学審議会が委託し実施した予備調査は、支援する研究の科学的影響について詳細に評価することに投資する資金供与機関がほとんどない中で、斬新な試みととらえられていた。その後科学審議会は、独立した新たな定性的評価を要請し、今回の調査が行われた。

調査では、上級査読担当者が、終了したERC若手助成金(Starting Grant)および上級助成金(Advanced Grant)プロジェクトの任意サンプル155件が評価の対象となった。その結果、プロジェクトの73%が既に画期的な発見や大きな科学的進歩に結び付く成果を創出しており、大多数が非常に優れた科学的価値をもたらしていることが判明した。プロジェクトの約27%は、段階的な科学的貢献を伴っていたが、ごく少数のケースでは明確な科学的貢献は認められなかった。調査によると、ERCは機関のミッションに従い実際にハイリスク/ハイリターン型のプロジェクトに資金提供しており、これらのプロジェクトは画期的な発見につながる可能性が高いという。また報告書では、ERCの多くのプロジェクトが分野横断的である点も強調されている。

さらに、資金供与の時点では考慮されていなかったが、科学的な分野以外にも影響が及んでいることが今回の調査で明らかになった。プロジェクトの半数近くが経済と社会全体への利益という面で既に影響を及ぼしており、また4分の3以上が、中長期的にこうした影響を及ぼすものと見込まれるなど、ERCが資金提供した研究プロジェクトが経済的社会的な利益に影響を与える可能性が示された。

[JSTパリ事務所]