[本文]

国・地域名:
ノルウェー
元記事の言語:
英語
公開機関:
ノルウェー研究会議
元記事公開日:
2017/10/13
抄訳記事公開日:
2018/01/09

2018年の国家研究予算は実質的に減少も、重要な優先事項は維持

2018 research budget shows real decrease, but important priorities maintained

本文:

ノルウェー研究会議の2017年10月13日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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このほど2018年の国家研究予算が発表され、数年間にわたって実質的な増額が続いた研究予算が2018年、約6億ノルウェークローネ削減され、研究開発に対する公的資金の割り当て総額は354億ノルウェークローネとなった。研究予算は減少したものの、2018年までに対GDP比1%を研究予算に支出するというノルウェー政府の目標は達成される、としている。

2017年の研究予算は、ノルウェーのGDP比1.05%、2018年は1.04%となる。

国家予算における変更点は次の通り。
- 独立プロジェクトを対象としたFRIPRO資金供与制度に5,000万ノルウェークローネ、中核的研究拠点(SFF)に4,500万ノルウェークローネ。これらの制度は、研究インフラ(1億7,500万ノルウェークローネ増)およびEUに関するイニシアティブ(7,900万ノルウェークローネ増)とともに、国際的な先端研究に参加するためのノルウェーの能力に大きく貢献する。
- 優先分野である気候、環境およびクリーン・エネルギー分野の研究に2,000万ノルウェークローネ。
- 優先分野のイネーブリング・テクノロジーに7,500万ノルウェークローネ。
- 技術-産業研究機関への基本的な資金供与は、少額ながら1,500万ノルウェークローネの増加。
- 産業指向型の制度に対する国家予算は、微増にとどまった。ノルウェー経済は現在健全であるが、こうした状況は雇用対策の非連続性をさらに悪化させることになる。また、海洋産業への割当てもかなり少額となったことを考慮すると、今回の国家予算の産業指向型研究への投資は大きく減少することになる。
- 高齢化が進み、福祉サービスのコスト上昇に伴い、公的部門の刷新や、より適切かつ効率的な福祉保健・ケアサービスの必要性に関する課題が拡大している。この分野は、長期計画における最初の3年間で重点が置かれていなかったが、政府は今回もこの研究分野を強化しないことを選択した。
- ノルウェー研究会議への割当てが今回初めて国家予算の一項目に統合されたことにより、割当て金は増加したように見えるが、実際は3,000万ノルウェークローネの減少となった。このため研究会議における今後の効率改善策の必要性が高まり、提供サービスの範囲も以前に比べて縮小されることになると想定される。

[JSTパリ事務所]